【あ】 【い】 【う】 【え】 【お】

【あ】


アーク・ライト
 ark light
[装]

 強い光を作り出す照明器具。クセノン・ランプの登場まで映写機などで使われていた。
→クセノン・ランプ



アートハウス Arthouse [映]

 芸術映画を専門に上映する映画館。


RKO

RKO RKO Radio Picture [製]

 1909年に創立された映画のメジャースタジオ。「キングコング」、「市民ケーン」などを制作。50年代始めにハワード・ヒューズに買収されるも、経営不振のため58年消滅。【写真は会社のマーク】



R指定 Restricted [映] 特集記事のページはこちらへ

 アメリカの映画館の入場規制。映画にR指定のマークが付いている場合、17歳以下は保護者同伴でないと入場できない。
→レイティング・システム



ILM Industrial Light & Magic [製]

 ジョージ・ルーカスが作ったSFXチーム。80年代からはハリウッドのSFX映画の大半を手掛けている。



アイマックス IMAX [映]

 カナダで開発された独自のシステム。65mmフィルムを水平ドラムで横向きに巻き付けて上映する。世界中にあるアイマックスシアターは巨大なスクリーン映像が見ものである。


アイリス
アイリス iris [撮]

 サイレント時代に多用され、今ではほとんど使われなくなった句読テクニック。レンズの前に絞り(iris)をつけて、それを開いたり閉じたりして円を伸縮させ、被写体を強調させる手法。【写真は「サーカス」のラストシーン】
→ディゾルヴ、ワイプ



アイレベル [撮]

 目の高さから撮ったカット。



あおり [撮]

 カメラが対象物を見上げるような構図。
→ハイ・アングル、俯瞰



赤狩り red-bait [他]

 非米活動調査委員会による共産主義者への弾圧行為を意味する俗語。40年代から50年代にかけて行われた。映画産業界が最初のターゲットとなり、共産党と思われる映画人324人がブラックリストに入れられ、職を追放された。



アカデミー・アパーチュア Academy aperture [映]

 1932年、アメリカの映画芸術科学アカデミーが定めた標準のフレーム・サイズ。横幅と高さの比率は1.33:1である。



アカデミー賞 Academy awards [他]

 1927年に設立された最古の映画賞。ロサンゼルスにて開催されるセレモニーには毎年大勢のスターたちが出席する。部門数が豊富で、作品賞の他、監督賞、演技賞、技術賞などがあり、優れた映画人に対してはオスカーと呼ばれる黄金像が手渡される。



アクション映画 action film [作]

 主に動的な演出を売りとした娯楽映画。
 普通、警察・ギャング・マフィア映画など、銃の撃ち合いを描いたものを指す言葉であるが、動きを売り物とした映画もアクション映画扱いになる。古典アクションは「暗黒街の顔役」、現代アクションは「ダイ・ハード」が代表的。



アクション・ライン [撮]

→イマジナリー・ライン



アクターズ・スタジオ
 Actor's Studio
[他]

 エリア・カザンらが47年に創設したワークショップで、プロフェッショナルな俳優達がお互いに芸術を深め合う場。スタニスラフスキーの演劇理論を発展させた「メソッド」で知られる。



アスペクト・レシオ aspect ratio [映]

 フレームの縦横の比率を数字で表したもの。アカデミー・アパーチュアが1.33:1、ワイドスクリーンが1.66:1(1.85:1)、アナモフィックが2.35:1、70mmが2.2:1、IMAXが1.4:1。



アソシエイト・プロデューサー [製]

→ライン・プロデューサー




あそび [脚]

 本筋と関係のないシーンやせりふ。



アダプテーション adaptation [脚]

 脚色。小説をシナリオ化すること。



アテレコ dubbing [編] 特集記事のページはこちらへ

 声優が洋画の吹き替えをすること。



アダプテーション adaptation [脚]

 脚色。小説や舞台劇などを映画的に脚色した脚本。
→シナリオ




アドリブ ad lib [演]

 台本にない即興の演技・台詞。



アナモフィック・レンズ anamorphic lens [撮]

 横長の映像を左右に圧縮(または引き伸ばし)して、普通サイズのフィルムで撮影する(または映写する)ために使うレンズ。ワイドスクリーンの映画はこのパターンが多い。アナモ。



アニマティックス [撮]

 特殊なシーンの撮影をする前に、シーンのイメージを事前に確認するため、CGやミニチュアなどで試験的に映像化したもの。



アニマトロニクス [装]

 動物のロボットを使って撮影する技術。アニマルトロニクス。



アニメ anime [作]

 アニメーション映画。海外では日本制アニメーション映画の意。ジャパニメーション。



アニメーション animation [撮]

 動かないものをスクリーン上で動いているように見せる方法。セル画に絵を描いて動きをつけるもの、物体の形や位置を変えて動きをつけるものなどがある。



アパーチュア [撮]

 フィルムの画面のみに光が照射されるようにしてある機構。プレッシャープレートでフィルムをアパーチュアに押しつけ、フィルム全体均等にピントがあう仕組みになっている。アパーチュアとプレッシャープレートをまとめてゲートという。



アバンギャルド avant-garde [作]

 前衛映画。非叙述的な構造を取った実験映画など。



アフター・エフェクツ  AfterEffects [編]

 Adobe社が開発したノンリニア編集用のモーショングラフィック・ソフト。映像を加工したり、静止画素材に動きをつけたりして、簡単に特殊効果を施すことができる。
→プレミア




アプライエンス [装]

 特殊接着剤を使って顔の表面に貼り着ける特殊メイク用のパーツ。



アフレコ  post-synchronization [編]

 映像が完成された後に音声を録音、吹き込むこと。



アメリカの夜 Day for Night [撮]

 疑似夜景。昼間に夜間のシーンを撮る技法で、被写体を逆光気味に捉えて、暗く露光すること。天井に黒い幕を被せる場合もある。



アメリカン・ニュー・シネマ New Cinema [製]

 60年代後半から70年代前半にかけてのアメリカ映画の傾向。ドラッグ・暴力・セックスなどをテーマにした反体制的な作品。「俺たちに明日はない」、「真夜中のカーボーイ」など。今となっては死語である。



あらつなぎ rough cut [編]

 台本にしたがってフィルムを大雑把につないでみること。



アラン・スミシー [映]

 監督が匿名を希望したときに用意されている架空の名前。以前テリー・ギリアムがファイナル・カットに不満を抱いて匿名(アラン・スミシーを名乗る)を希望したが、結局ディレクターズ・カット版が公開されることになり、無事に片づいた。


アリフレックス
アリフレックス Arriflex [撮]

 手持ち用計量カメラ。ヌーベルバーグ以降急速に普及。【写真】



アングル angle [撮]

 カメラの被写体に対する角度。



アンダーグラウンド映画 underground film [作]

 営利を目的としない小予算の独立映画。



アンチエイリアス [他]

 モニタ上に生じる画像のジャギー(ギザギザ)を背景にとけ込ませる技術。

【あ】 【い】 【う】 【え】 【お】

【い】


イーストマンカラー Eastmancolor [撮]

 現在映画撮影で使用されているカラー・フィルム。染色転写プロセスのテクニカラー・システムとは違って、化学プロセスで発色させており、よりリアルな色彩を出すことが可能になっている。
→テクニカラー



遺作 [作]

 死後に残した未発表の作品。あるいは死後に発表した作品。



板つき [演]

 舞台では、幕が開いたときにすでに人物がいること。逆は「空舞台」という。
 映画では、俳優の位置が画面の中で動かないことをいう。




一人称映画 [作]

 見た目の映像だけで構成された映画を指す言葉であるが、前例は少ない。広義では、全てのシーンが主人公の立場になって描かれた映画を意味する。



一巻もの
 one-reeler
[作]

 長さが10分程度の短編映画。サイレント時代に量産された。
→二巻もの




いってこい [脚]

 シーンや台詞などが重複したもの。「いってこい」になると、もたついてしまうので、重複したものはふつう省略する。



移動撮影 [撮]

 ドリーなどを使ってカメラ位置を移動させながら撮影すること。前に移動することを英語でトラックアップ、後ろをトラックバック、横をトラックパラレルという。
→トラッキング・ショット




移動ショット traveling shot [撮]

 カメラの位置が動くショット。前後左右に限らず、カメラの位置を移動させると、それは移動ショットになる。ズーム、パンとは意味が異なる。
→ズーム、パン



イマジナリー・ライン [撮]

 カメラが二人以上の人物を捉えるとき、カメラに近い二人を結ぶ見えない仕切のこと。カット編集のとき、次のカットでこの見えない仕切を越えてしまうと、カットの方向性が狂ってしまう。アクション・ライン、イマジネーショナル・ライン



イメージ image [撮]

 映像。
→サウンド




インサート insert shot [編]

 意味を理解させるために、シーンに補足的に挿入する詳細を示すショット。



インターカット intercut [編]

 テレビで、一台のカメラ画像から別のカメラ画像にカットして切り替えること。



インタータイトル intertitle [編]

 無声映画で台詞や説明文などを記したショット。



インターネガ internegative [製]

 ポジから別のポジを作るために起こされたネガ。



インディーズ indies movie [製]

 独立プロとして小規模の予算で活動する会社が制作した映画。あるいは、個人が自主制作した映画。



インディペンデント映画 independent film studio [製]

 独立系映画。ハリウッドで、メジャー系以外の映画会社。ミリッシュ・カンパニー、ヘクト・ランカスター・プロ、オライオン、ミラマックスなど。製作会社と配給会社が別々である。



インテリア interior [装]

 室内セット、室内装飾品、室内調度品。また、室内空間を装飾すること。



イントレ [装]

 カメラやライトを乗せる足場となる鉄パイプあるいは木製の台。名前は「イントレランス」から。



イントロダクション introduction [脚]

 脚本で、導入部、発端部分。また、長尺映画が始まる前の前奏曲の場面を言うこともある。

【あ】 【い】 【う】 【え】 【お】

【う】


ヴァンプ
 vamp
[演]

 直訳すると妖婦だが、映画の世界では攻撃的・肉体的な派手な女優を指すことが多いようだ。



VHS 
video home system [撮]

 家庭用VCR。



VHSC
[撮]

 アマチュア用のビデオテープ。家庭で手軽にビデオ撮影ができた楽しめた。
→8ミリビデオ




VFX 
visual effects
[撮]

 特殊視覚効果。SFXと同義語だが、CGの技術が発達した90年代後期から使われるようになった言葉。



VCR 
video cassete recorder
[撮]

 ビデオを録画する機械。磁気テープに映像を記録していく。なおテープの長さは1分間2メートルである。



VTR 
video tape recorder
[撮]

 VCRの日本での呼称。



ヴィジョン vision [脚]

 回想あるいは幻想のシーン。



ヴィスタヴィジョン
 Vista Vision
[製]

 54年、パラマウント社が開発したワイドスクリーンの一方式。横長過ぎず、画面も鮮明なのが特徴。「ホワイト・クリスマス」で初めて使用された。
→シネマスコープ


ウエスカム
ウエスカム [撮]

 カナダ・イズテック社が開発した航空撮影のための振動防止装置。どのように傾いてもカメラは同じ位置を保つことが可能になる。【写真】
→ステディカム




ヴォイス・オーヴァー voice-over [脚]

 姿の見えないナレーターの声。キャラクターの心の声などを画面にかぶせて表現。VO。



ウォーク・イン、ウォーク・アウト [撮]

 カメラは固定して、対象がカメラに近づいてアップになるのがウォーク・イン、その逆がウォーク・アウト。


ウォルト・ディズニー
ウォルト・ディズニー Walt Disney [製]

 1923年に設立された映画会社。アニメーション映画、ドキュメンタリー映画、家族映画などを精力的に製作してきた。ブエナ・ビスタは配給会社で、タッチストーン・ピクチャーズ、ハリウッド・ピクチャーズは会社内の一般映画部門。ミラマックス、ABCを傘下に収めており、現在は世界第2位のメディア企業となっている。【写真は会社のマーク】



打ち込み [映]

 上映前の入場者数。とくに封切り初日の上映前。



ウチトラ [製]

 内輪のエキストラ。日本映画界に見られてハリウッドに見られない特徴である。
→エキストラ




内幕もの [作] 特集記事のページはこちらへ

 「内幕」とは正しくは「内部の事情」という意味であるが、映画産業用語ではスタジオの裏側を舞台にしたドラマや、映画製作についての映画のことを指す。「サンセット大通り」が最も代表的。



ヴューファインダー viewfinder [撮]

 カメラマンが被写体の映像を見るために使う接眼レンズのこと。



売り [脚]

 脚本で、知っておかなければストーリーがわからなくなる事柄。観客には「売り」を露骨に気付かせてはいけない。

【あ】 【い】 【う】 【え】 【お】

【え】


エアーマット
 air mat
[装]

 落下スタントを撮影するときに使う巨大マットレス。中に空気が入っている。



映画 motion picture [映]

 連続撮影したフィルムをスクリーンに投影し、いろいろの動く映像を楽しむ娯楽・芸術・商業・媒体。1895年に誕生。30年代からは音声が加わり、総合芸術と言われるようになる。ムービー、キネマ、シネマ、フィルム、フリッカー(ちらちらするもの)など、色々な呼び名があり、日本ではかつて活動写真と呼ばれた。



映画教室 [映]

 学校の教育授業で、映画鑑賞に連れていくこと。ビデオが普及してからは、映画教室を行う学校は少なくなった。
 映画教室に使われた作品では「東京オリンピック」が代表的で、同作は日本映画史上最高の観客動員数を記録した。




映写機 projector [映]

 映画を上映するための機械。普通、映画館では2台の映写機を使って、フィルムを分けて交互に上映する。プロジェクター。



映倫 Administration Commission on Motion Picture Code of Ethics [映]

 映画倫理規定管理委員会の略。映画の影響力を考慮し、倫理的水準の低下を防ぐために1949年に設置された自主規制機関。社会道徳上有害とされるシーンのカット・訂正を勧告する。規定内容には7種類あり、
(1)反民主主義的・反社会的ではないか?
(2)法律に背くような内容ではないか?
(3)宗教的に問題がないか?
(4)教育上悪影響を与えないか?
(5)風気を乱すような内容ではないか?
(6)不適切な性描写はないか?
(7)残酷な場面はないか?
などを制限する。興行会社は映倫審査を受けていない映画を上映できないため、審査を受けなかった映画は自主上映という形を取るしかない。
→レイティング・システム



ASC American Society of Cinematographers [他]

 アメリカ映画撮影監督協会。カメラマンが不当な扱いを受けないために発足された。



AFI American Film Institute [他]

 アメリカ映画の振興と保存、映画人育成などを目的とした非営利機関。1967年設立。映画製作の基本を教える他、活動は多岐に渡り、毎年一人だけ映画人を称えるパーティも開催している。集められた資金は奨学金として有望な生徒に与えられる。



AFM [製]

 カンヌ映画祭、MIFEDと並ぶ3大見本市のひとつ。ロサンゼルスで開かれる。配給会社の担当の人はここで展開されるプロモーションを見て作品を買い、公開する。
→カンヌ映画祭、ミフェッド




ADR  Automated Dialogue Replacement [編]

 アフレコのこと。



エキサイター・ランプ exciter lamp [映]

 音声を読みとるため、サウンドトラックを光と影に分解させるランプ。



エキストラ extra [製]

 通行人や群衆などのキャスト。エキストラ専門の会社から雇ったり、ボランティアを募ったりする。普通エキストラには出演料はないが、代わりに弁当がもらえたりする。



絵コンテ story board [撮]

 撮影のためのカメラアングル・構図、役者・小道具の配置、場面の雰囲気などをわかりやすく示した一連のスケッチ。簡単に線で書いただけのものもあれば、劇画調の凝ったものもあり、作品によって絵コンテは様々である。



SRD [映]

→ドルビー・デジタル



SF映画 Science Fiction [作] 特集記事のページはこちらへ

 過去・現在・未来の生物や人間・世界・宇宙などについて思案する映画。空想科学映画。ファンタジー映画。
 60年代までは未来都市の生活や、宇宙人侵略を描いたB級ものが主流であったが、68年「2001年宇宙の旅」が作られたことで概念が塗り替えられ、77年「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」のヒットで、最も客足の取れるジャンルのひとつになる。




SFX Special Effects [撮]

 ダイナメーション、コンピュータ・グラフィックスなどの特殊撮影技術。特殊視覚効果。



SDDS sony dynamic digital sound [映]

 ソニーが開発したデジタル音響方式のひとつ。8チャンネルに音を録音できる。信号は圧縮してフィルムの両端に記録。再生するためには映画館にそれなりの設備が必要。
→ドルビー・デジタル、DTS




エスタブリッシング・ショット establishing shot [撮] 特集記事のページはこちらへ

 シーンの始めに、登場人物の配置、ロケーション、出来事、ムードなどの情報を観客に説明するために見せるショット。日本語に直訳すると「状況設定ショット」。
→ロングショット




エディター editor [編]

1) 撮影したフィルムを作品として最終的なかたちに編集する人。フィルム・エディター。カッター。
2) 映像などを編集するための機材、ソフト




NG no good [撮]

 使用できない失敗のショット。
→キープ



NTSC方式 National Television System Committee [他]

 カラーテレビ標準方式のひとつで、一秒間に29.97フレームの映像で受信。走査線の数は525本。日本とアメリカではこの方式が使われる。
→PAL方式




エピソード episode [脚]

 挿話。



エピローグ epilogue [脚]

 終章。



F値 F-number [撮]

 絞りの開口部の大きさ。F値が大きいほど、開口部は小さく、カメラに入る光は少なくなり、被写界深度は深くなる。シャッター・スピードと密接に関連している。F数。
→シャッター・スピード、絞り、被写界深度、焦点距離




FPS frames per second [撮]

 一秒あたりのコマ数。コマ/秒。



MG minimum guarantee [製]

 映画の企画を買うとき、買い手が最低は保証する金額。
→プリセール


MGMトレードマーク
MGM Metro-Goldwyn-Mayer [製]

 1924年に設立されたハリウッドのメジャースタジオ。メトロ、ゴールドウィン、メイヤーの3社が合併して誕生。グレタ・ガルボ、クラーク・ゲーブル、ジュディ・ガーランドら専属スター、そして40年代・50年代のミュージカル映画の傑作群のゴージャスさは史上最高。「芸術の為の芸術」をモットーに、黄金時代はルイス・B・メイヤー、アービング・G・タールバーグの指揮の下、トップに君臨していた。81年、ユナイテッド・アーチスツ社と合併。【写真は会社のマーク】



遠近感 persective [撮]

 平面上に擬似的に作り出された奥行き感。パースペクティブ。



演出 mise en scene [撮]

 シナリオの独自の解釈に基づいて演技を指導し、美術・照明・効果などをまとめあげること。編集やモンタージュ概念に対して、フレーム内部での仕組みを指す。
→編集、モンタージュ




エンド・ロール end role [製]

 映画で、エンドマークが出た後、スタッフとキャストの名前が出てくる部分。
→クレジット

 

【あ】 【い】 【う】 【え】 【お】

【お】


オーヴァーラップ
 overlap
[編] 特集記事のページはこちらへ

 前の場面がしだいに消えながら、次の場面がしだいに現れる技法。二重写し。O・L。
→ディゾルヴ、フェードイン・フェードアウト




大道具 construction [装] 特集記事のページはこちらへ

 舞台に使うもので、建物、立木、家具など、役者が手に持てない道具。
→小道具




オーバーアクション
 overaction
[演]

 大袈裟な演技。過剰演技。



オープンセット open setting [装]

 スタジオの敷地内に建てられた屋外セット。



大部屋 [他]

 下級の俳優。ひとつの部屋を共同で使用することからこういわれる。



オール・ナイト [映]

 終夜興行。AN。
→レイト・ショー




オール・ライツ [製]

 映画の権利の獲得について、興行権利、ビデオ化権利、テレビ放映権利、関連商品権利など、全ての権利を得ること。



オカルト映画 occult film [作]

 超自然の出来事を描いたホラー映画。「エクソシスト」が世界的に大ヒットしたことでブームに火がついた。



お蔵 [映]

 完成した作品が上映されなくなること。



押す [脚]

 台詞などを強調すること。



オスカー Oscar [他]

 アカデミー賞授賞式で、受賞者に贈られるトロフィーの愛称。アカデミー賞そのものを意味することもある。MGM最大の美術監督セドリック・ギボンズがデザインした。黄金像。



遅回し undercrank [撮]

 撮影の時、フィルム速度を1秒24コマ以下に遅めること。そうしてできたフィルムを普通に映写すると、動きの早い映像になる。
→早回し




追っかけ [撮]

 追うものと追われるものを交替交替に見せるシーン。活劇映画には欠かせなかった。転じて、カットバックを意味する。
→カットバック




音ずれ out of sync [編]

 映像と音声が同調していないこと。



帯ドラマ [作]

 テレビの連続ドラマ。何回かにわけて放送する。
→クール




オフ・シーン offscene [脚]

 シナリオ用語で、画面外からの意。オフ芝居は画面に写っていない芝居のこと。



オフ・スクリーン off screen [脚]

 シナリオで、人物やサウンドなどがカメラフレームの外にあるという意味。オフ・キャメラ。OS。OC。



オプティカル optical [編]

 フィルム上で二つの映像を合成したり効果を加えたりする光学処理のこと。オプティカル・プリンターといわれる機械などを使い、編集室ではなく現像所で完了される。ブルー・スクリーンの映像や、多重露光、ストップ・モーションなどの映像が作られる。かつては特撮映画には欠かせないことであったが、近年はCG処理に移りつつある。



オマージュ homage [他]

 「敬意」を意味する。偉大な映画を引用したり、パロディにしたり、偉大な映画人を称えたりする行為。



オムニバス omnibus [作]

 独立したいくつかの短編を集めて一本の映画にしたもの。ふつう、エピソードは何らかの関連性を持つ。


オライオン
オライオン Orion [製]

 ユナイテッド・アーチスツの重役たちが退社して78年に立てた映画会社。ウディ・アレンを招いて順調に勢力を高めていき、毎年良作を発表。「ダンス・ウィズ・ウルヴズ」、「羊たちの沈黙」では大手メジャースタジオを相手にして2年連続でアカデミー賞を堂々と勝ち取り、最も熱い映画会社であったが、91年に破産宣告。それからは再建に必死である。現在はMGMの傘下。【写真は会社のマーク】



オリジナル脚本 original scenario [脚]

 原作がなく、映画だけのために書き下ろされた創作シナリオ。
→脚色




音響 sound [映]

 映画の「音」を総称していう。映画館で映画を見る最大の楽しみは、何と言っても大迫力の巨大音響である。スクリーンに見える無数の小さい穴は、その裏にあるスピーカーの音を正面から通すためである。
→サウンド、サウンドトラック、ミキシング




音響効果 sound effects [編]

 台詞・音楽以外の、作り出された音。床がきしむ音や、人を殴る音などは、実際の音を使うよりも、作り出した音を使った方がリアリティやユーモアが出る。ハリウッド映画の音のほとんどは音響効果である。効果音。音響効果編集。



女形 [演]

 歌舞伎などで、女の役を演じる男優のこと。おやまともいう。市川雷蔵は映画界にも進出した女形スターである。