映画雑誌雑感
FLIX

 女性のためのシネマ・エンタテイメント・マガジン。僕の大好きな雑誌である。なぜって、僕が今からちょうど10年前、僕が映画に興味を持ちだしたちょうどそのころ読んでいた雑誌だからである。あの当時は「角川プレミア」に次いで2番目に売れていた映画雑誌だった。今は悲しいかな、書店でもあまり見かけなくなって、寂しくなったが、今回10年ぶりに買って読んでみて、内容が今も健在だったことで一安心させてもらった。当時は他誌よりもはるかにファッション性が高く、業界ビジネスの仕組みや、クラシック映画特集など、カルチャー誌的な構成が面白かったのだが、現在は「日経エンタテインメント!」や「インビテーション」にその地位を奪われた感があり、もっぱら「ムービー・スター」と同方向からの<気取らないミーハー誌>としてのアプローチで攻めているようだ。
 大半の記事をインタビューのコメントをからめたコラム形式にしているのは、スターの人数といい、さすがにボリュームたっぷりである。俳優の写真もちゃんとしたフォトスタジオで撮り下ろしし、レイアウトもオシャレで内容にもしっかり中身がある。ゴシップ記事の充実ぶりは「この映画がすごい!」とは別の切り口とはいえ、首位を争うほどの内容だと思うし、Yahoo!ニュースに引用されるなど、折り紙付きである。「Up&Doing」の映画紹介文は、ちゃんとひとつひとつしっかり鑑賞して、自分なりの意見を書き込んでいるし、信頼できるところは現「プレミア」にも匹敵。
 この他、有名ブランドと映画の結びつきをピックアップする「F selection」などの独自企画も面白く、このペースで、もっとページ数を増やして欲しいものだ。「週刊シネマガ」管理人も胸を張ってイチオシしよう。

→第20回「QRANK」へ続く

FLiX

「月刊フリックス」
ビジネス社
毎月21日発行
http://www.cinematoday.jp/

今回取り上げたナンバー
「2005年1月号」690円
表紙/ジョシュ・ハートネット

※主な記事
世代別男優の魅力
辛口ファッション批評
10月のハリウッド・スターを追え!
ハリウッドの内幕を暴く

2004年11月25日