映画雑誌雑感
プレミア

 フランス、アメリカなどでも刊行され、「世界でいちばん読まれている映画雑誌」と声高らかに謳(うた)っているだけあって、映画ファンとしては「これを読まなくちゃもぐりだな」みたいな気持ちになってくる雑誌である。色々な映画の中で語られてきた「プレミア」という名前は、映画ファンにとってはトレンドのひとつでもある。アメリカで年に10回発行される「Premiere」は、用紙が薄くぺらぺらで、ほとんどが広告ページばかりで、写真もそれほど綺麗ではないが、日本の「プレミア」は米国の数倍はクオリティが高く、とくに写真に関しては日本の映画雑誌でもベストと称すべき高級感がある。雑誌の記事は各国版とリンクしているものもあるが、たいていの記事は日本独自のものだ。「プレミア」ならではの特別企画というものが少ない気もするが、そういった企画ページが少ない分、レギュラーページが定着しており、読者に安心感を与える。わりとレビューを中心に攻め込んでいるところは正統的。もう少し批評にもキレが欲しいが、可もなく不可もないところで無難に「プレミア」がいいという見方もあり。そのせいか、ある意味日本の映画雑誌の業界水準値となった映画雑誌ではある。
 ※追記・・・「婦人画報」が100年記念号を出して、すごいなあと思っていたら、「プレミア」が休刊することに。角川書店に続き婦人画報もプレミアに破れるとは。この業界って厳しいんですかね。

→第6回「月刊ビーエスファン」へ続く

プレミア日本版

「プレミア日本版」
株式会社アシェット婦人画報社
毎月21日発行(2005年3月から休刊)
発行部数6万部
http://www.elle.co.jp/premiere/

今回取り上げたナンバー
「2004年10月号」580円
表紙/ウィル・スミス

※主な記事
映画をもっと楽しくするコラム
忙しいあなたのための新作レビュー
プレミアならこう見る今月の話題作
家でじっくり楽しみたいコンテンツ

2004年8月28日