他誌よりも一回り小さく、印刷も少々アラがあるが、切り口はなかなか独創的で、企画ページに底力を発揮している。整ったレイアウトとは言えなくも、新聞の折り込みチラシっぽい見せ方がかえって面白い。文章も適度におどけており、独りよがりな感想が良く、「ナタリー・ポートマンのおしゃれ泥棒」など、ミーハー的な一面もみせてくれるが、一方でジャッキー・チェン特集など、男性的コダワリの表れた「オレ記事」も満載。巻頭のトム・クルーズ特集では、紙面を対角線で区切って年表に作品写真を配していくレイアウトなど、直感的にわかりやすい。インタビュー記事、ランキングも充実。映画雑誌には珍しいクロスレビューのコーナーがあるのも嬉しい。
　おもしろおかしい読み物「コラムニコフ」のコーナーを含めて、ところどころに思わず「へぇ」といいたくなる豆知識があったり、ちょっぴりドッキリしちゃうアイドルDVDのコーナーがあるのも見所で、他誌を引き離そうと色々と努力している。「スクリーン」同様、ハンドメイドな雰囲気が好きである。

→第12回「DVD&ビデオでーた」へ続く