【は】 【ひ】 【ふ】 【へ】 【ほ】

【は】


バークリー・ショット [撮]

 30年代のミュージカルの撮影スタイル。大勢のダンサーたちが登場し、華やかなレビューを俯瞰で撮影したり、移動撮影やカットつなぎで見せる。



バージョン [作]

 作り替えた作品。日本語では「〜版」。バージョン違いの映画は多く存在する。たとえば、未公開シーンを加えたもの、喋っている言語が違うもの、スクリーンサイズが違うもの、色が違うもの、結末が違うもの。



パース線 [他]

 コンテなどで背景画を描くとき、正しい遠近法で作画するための目安として引くガイドライン。ラインは消去点へとのびていく。




パースペクティブ [撮]

 遠近感の錯覚を利用して対象物の大きさや奥行きを変えて見せる技法。




バーチャルリアリティ Virtual Reality [他]

 現実感を持った仮想的な世界。とくにCGで作られた三次元の世界が多い。特殊メガネと特殊グローブをはめて、あたかも仮想世界の住人になったように錯覚させるなど、様々な実験が進められている。仮想体験。仮想現実。



パートカラー [作]

 モノクロ映画だが、一部のシーンだけがカラー映像になること。



ハードコア [作]

 性器をクロースアップで見せるポルノ映画。



パートナーシップ [製]

 複数の配給会社が共同出資すること。



パーフォレーション perforation [撮]

 フィルムに開けられた穴。カメラや映写機でフィルムを走行させるために、歯車に噛ませる。スプロケット穴。



ハイ・アングル [撮] 特集記事のページはこちらへ

 上方から下向きの撮影アングル。ハイ・ショット、バード・ショット、俯瞰。
→ロー・アングル、俯瞰




配給 [製]

 製作された映画を映画館へ送りだすこと。製作会社が生産メーカー、映画館が小売り店とすると、配給会社は問屋の位置にある。大きな製作会社ならば配給までやってしまうが、独立プロダクションなどは配給会社と契約して映画館へ送り出すのが普通。例をあげると、「風と共に去りぬ」はセルズニック・プロが製作しているが配給はMGM、「我等の生涯の最良の年」はゴールドウィン社が製作しているが配給はRKO、「ウエスト・サイド物語」はミリッシュ社が製作しているが配給はUA、「レイダース」はルーカスフィルムが製作しているが配給はパラマウントである。UIP、ブエナビスタ、ヘラルドのように配給を専門とする会社もある。最近の映画はインディペンデント会社が製作するのがほとんどで、メジャー会社は配給専門になりつつある。



ハイスピード [撮]

 フィルムの回転速度を早くして撮影すること。結果として、スローモーションの映像ができあがる。



バイタスコープ [他]

 シネマトグラフに対抗してエジソンが開発した映写機。キネトスコープは覗き式だったが、こちらはスクリーン投射式である。



配収 [製]

 配給収入の略。興行収入から映画館の取り分を引いた額で製作会社へ入る収入。ふつう映画館が4、製作会社が6の割合で配分。
→興行収入




バイバック現像 [撮]

 撮影ネガと生フィルムの膜面を重ねて露光する現像方式。



ハイハット [装]

→ゴトク



ハイビジョン hi-vision [他]

 日本が開発したテレビジョン規格。いかに臨場感を感じさせるかという観点で開発され、美しい映像を実現。BSでハイビジョン放送が送られている。



ハイフネイト hyphenate [他]

 脚本家兼監督という風に2つ以上の仕事をする人。



バイ・プレイヤー
[演]

 助演する人。



ハイ・ポジション
[撮]

 高い位置から撮ること。
→ロー・ポジション




ハイライト [撮]

1) フィルムで最も明るく見える部分
2) 劇中最も興味深い見せ場
3) 照明で、非常に細い光線。女優の眼などに当てる。




バウンス・ライト [撮]

 乱反射による散光でコントラストをやわらかくするライト。



ばこべん [装]

 色々な小道具を入れる箱。便利な箱だからこう呼ばれるようになった。



バジェット budget [製]

 予算。



8ミリ 8mm [撮]

 フィルムサイズのひとつで、もっとも小さく、安価なもの。その分画質は粗いが、アマチュアでも自主映画制作が低予算でできる。毎秒18コマで撮影。種類はシングル8とスーパー8があり、それぞれに違う良さがある。シングル8はポリエスターをベースにしており、タングステン・タイプとデイライト・タイプの二種類があり、画質がシャープで、撮影を中断してフィルムを巻き戻すことができる。スーパー8はトリアセテートをベースにしており、擦り傷がつきにくく、消費電力が少なく、編集にセメントを使用することができる。発色の色合いはメーカーによって異なる。一時期全盛だったが、ビデオの普及により、今は忘れられた存在にある。
→16ミリ、35ミリ、70ミリ



8ミリビデオ [撮]

 小型のビデオカセット。家庭で手軽にビデオ撮影ができた。現在は高画質のデジタルビデオの普及に伴い、あまり使われなくなった。
→VHSC



パチ [編]

 字幕技術のひとつで、最も安価なもの。フィルムに傷をつけて字幕を入れる。パチ打ち。
→ケミカル、焼き込み、レーザー




バックライティング backlighting [撮]

→逆光



パッケージ・ディール [製]

 セット販売。また、エージェント会社が、自社契約の人材だけで企画製作すること。




バディ・ムービー [製]

 相棒映画。




パナビジョン Panavision [映]

 ワイド方式のひとつ。シネマスコープと同じサイズだが、画質が向上している。
→シネマスコープ




パニック映画 [作]

 天災や事故を描いた映画や動物たちが襲いかかる映画。人間たちが悲鳴をあげながら逃げたり、大量に死んでいくところがパニック映画の見せ場。アーウィン・アレンの傑作「ポセイドン・アドベンチャー」(72)と「タワーリング・インフェルノ」(74)が公開されたころが最盛期だったが、90年代にデザスター映画という別名で第二次最盛期を迎えた。災害映画ともいう。



はねる [映]

 その日の映画上映を終えること。



パブリシティ [製]

 映画の宣伝を目的にした新聞・雑誌の記事、テレビ番組。パブ。



ばみる [演]

 人の立つ位置に印をつけておくこと。



早回し overcrank [撮]

 カメラのフィルムを早く回転させて撮影すること。早回しで撮影したものを普通に映写すると、スローモーションになる。オーバークランク。
→遅回し、スローモーション




バラエティ誌 Variety [他]

 アメリカで発行されている業界誌。ハリウッド、ブロードウェイを中心に、芸能関係のことなら何でも報道する。



パラマウント Paramount Pictures [製]

 ハリウッドのメジャースタジオ。1916年にアドルフ・ズーカーが設立。マッキンレー山がシンボルマーク。ゲイリー・クーパー、マレーネ・ディートリヒ、マルクス兄弟ら人気スターを有し、巨匠セシル・B・デミル、エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダー、プレストン・スタージェス、アルフレッド・ヒッチコックらに支えられた。54年にはワイドスクリーンのヴィスタヴィジョンを開発。この方式は現在も広く使われている。「ゴッドファーザー」、「ビバリーヒルズ・コップ」などのメガヒット・シリーズもあり、史上最も収益の高いスタジオである。スターや監督のことを一番よく考えていたメジャースタジオでもあり、社内の様子は「サンセット大通り」で覗くことができる。【写真は会社のロゴマーク】



パラレル・アクション parallel action [編]

 同時に進行する二つのアクションを並行して描くこと。
→クロスカッティング




パラレル・サウンド parallel sound [撮]

 画面と内容が一致するサウンド。



ハリウッド Hollywood [製]

 カリフォルニア州ロサンゼルスにある映画産業の町。ユニバーサル、パラマウント、ワーナー、フォックスなど、数多くの映画会社とテレビスタジオが集まっており、毎年何百という映画・番組を生産している。ハリウッド大通りのチャイニーズ・シアター周辺は観光地化しており、ここにだけ異様に人が集まっている(中でも日本人観光客がやたら多い)。歩道にはスターたちの名前が刻まれた星型のプレートが埋め込まれており、数々の映画館、ホテル、映画グッズ店、ランジェリー・ショップが建ち並ぶ。グリフィス・パークからは名物HOLLYWOODのランドマークをゆっくりと拝むことができる。



はりぼて [装]

 発泡スチロールなどに色を塗ってごまかすセット。



PAL方式 Phase Alternating Line [他]

 ヨーロッパ・中国のカラーテレビの規格。走査線数625本/50フィールド。
→NTSC方式




ハレーション [撮]

 逆光の映像を撮影するとき、フィルムの感光膜に反射して写ってしまう光。独特な効果にもなり、森田芳光の「ライト」などでは効果的にハレーションが使われた。
→逆光、フレア




パロディ [作]

 著名な作品の作風などをもじり、内容を作り替えて風刺化・滑稽化したもの。



パン pan [撮]

 カメラ本体は動かさないで、カメラの首を左右に動かすこと。
→ティルト




バンク [編]

 使い回しするカット。



犯罪映画 [作]

 犯罪を扱ったジャンル。ギャング・アクション、フィルム・ノワール、推理サスペンスなど、広範囲に及ぶが、その中でも特に拳銃を撃つシーンを売り物とする作品を指すことが多い。
→フィルム・ノワール




反射光 [撮]

 被写体の陰影を柔らかく自然にするために、天井やホワイトボードなどに反射させて作り出すバウンス光。



パン・フォーカス [撮]

→ディープ・フォーカス



パンフレット [映]

→プログラム



ハンモッキング hammocking [映]

 テレビで、新番組などを、2つの人気番組の間に放送すること。

 

【は】 【ひ】 【ふ】 【へ】 【ほ】

【ひ】


ぴあフィルムフェスティバル
[他]

 首都圏の情報誌「ぴあ」が主催するコンテストで、アマチュア映画作家の登竜門として名高い。8ミリ、16ミリの他、35ミリ、ビデオも対象としており、出品されている作品のジャンルは実に多彩。コンペティションで選出した作品の作者には次回作の製作資金が提供される。



PR映画
 [作]

 会社などの宣伝のための映画。



P&A print and advertising [製]

 劇場配給にかかる経費の総額。プリント費用(P)と宣伝費用(A)。



PFFアワード [他]

→ぴあフィルムフェスティバル



BS放送 [他]

 放送衛星を使って行う新しい放送。日本ではNHK衛生第一・第二とWOWOWがある。通信衛星を使うCS放送の登場で利用者が減りつつある。



POV [撮]

→見た目



ぴーかん [撮]

 快晴。



B級映画 B picture [作] 特集記事のページはこちらへ

 撮影期間が短く、低予算で作られた映画。2本立てで目玉映画のおまけとして売り出す。SF、ホラー、フィルムノワールなどに多かったが、B級映画の名作も数多く生まれており、決して「くだらない映画」という意味ではない。テレビ映画のことを指すこともある。プログラム・ピクチャー。



ひく [撮]

 日本の映画用語で、カメラのトラックバック、ズームバックのこと。



ピクシレーション [撮]

 実写によるコマ撮りアニメーション。



被写界深度 depth of field [撮] 特集記事のページはこちらへ

 焦点を合わせたとき、被写体がぼやけずに見える範囲。




ビジュアル・エフェクト [編]

 視覚効果。特殊視覚効果。
→特殊効果




微速度撮影 time-lapse photography [撮]

 速度の遅い撮影。コマ撮りなど。植物の成長過程や果物の腐敗過程などを撮る場合は微速度撮影をする。



ピックアップ [編]

 ポストプロダクションに入った後に、シーンを撮り直すこと。



ビデオ・オン・デマンド [他]

 双方向テレビでのサービスのひとつで、視聴者がいつでも好きな番組をリクエストできるというもの。今後、大規模なテレビショッピング、テレビバンキング、テレビ図書館などの発展が期待できる。



比喩 [脚]

 他にたとえたり関係づけたりして印象を強くする修辞法。セリフの比喩には「・・・のようだ」という言い方で例える直喩(シミリー)と、「・・・のようだ」という言葉を使わずに例える隠喩(メタファー)などがある。映像の比喩にはこの他に換喩と提喩があり、換喩は柔道の有段者を「黒帯」で表すように、あるものをそれと縁の深いもので表現することで、提喩は「桜」で「花」を表すように、ひとつのもの(部分)で全体を表したり、全体でひとつのものを表すこと。映像における比喩の定義は曖昧である。



美術 [装]

 俳優を除く、画面に写るすべてに関すること。大道具、小道具、衣裳、装置などのデザイン・設計・準備など。



ビュー・ポイント [撮]

 カメラの高さ、角度。



ヒューマン・ドラマ [作]

→人間ドラマ



開いた構図 open forms [撮]

 読んで字のごとく開いた構図。空間がフレームを越えて広がっているような構図。



ピリオド・ピクチャー Period Picture [作]

 歴史劇。時代劇。



ビリング billing [製]

 ポスターやビデオジャケットにおけるスタッフ・キャストの表記。製作時に表記する順番や文字の大きさなどが決められる。タイトルが表示される前に大きく表示される名前はトップ・ビリングという。



ヒロイン [脚]

 物語の女性の主人公。男性の主人公はヒーローという。




ピン送り rack focusing [撮]

 シャロウ・フォーカスで撮影した同一ショット内で、焦点を変えること。焦点移動。



ピンナップ・ガール [他]

 壁に写真を飾られた女優のこと。兵士たちが映画雑誌などのお気に入りの写真を兵舎の壁に貼っていたことから由来。ベティ・グレイブルはあまり映画には出ていないのだが、雑誌の写真だけでスターになった珍しい女優である。

 

【は】 【ひ】 【ふ】 【へ】 【ほ】

【ふ】


ファース 
farse
[作]

 笑劇。



ファースト・モーション 
fast motion
 [撮]

→コマ落とし



ファイナル・カット final cut [編]

 編集したフィルムで、公開される形のもの。最終版。仕上がり編集。プロデューサーがファイナル・カットの権利を持っている。



ファイナル・カット・プロ final cut pro [編]

 アップル・コンピュータ社が開発したノンリニア編集ソフト。岩井俊二が作品で使った。
→プレミア[編]



ファイン・カット [編]

 脚本にもとづいてつなげた仮編集に更に手を加えたもので、ほぼファイナル・カットに近い。



ファム・ファタール Femme Fatal [他]

 フィルム・ノワールなどで、男を狂わせる女のこと。



フィーチャー [作]

 長編。



フィードバック feedback [他]

 双方向コミュニケーション。



フィギュア [他]

 グッズの一種で、キャラクターの人形。ジェームズ・ボンドの人形がヒットしたのをきっかけに、スター・ウォーズなど、次々と商品化が発展していった。




フィクション fiction [作]

 架空の物語。「ノンフィクション」ならば実話をもとにした物語になる。




フィックス [撮]

 カメラ固定。



フィルター filter [撮]

 光の質を変えるためにレンズの前に置かれるゼラチンの板。様々の効果が出せる。



フィルム・ゲージ film gauge [撮]

 フィルムの幅。
→35ミリ、16ミリ、70ミリ、8ミリ




フィルムノワール [作]

 アメリカで40年代から50年代にかけて作られた犯罪映画の一種。「黒い映画」の意味。街を舞台にしており、モノクロの映像で、影のコントラストがどぎつく、建物の装飾はシンプル。暗い人間関係が描かれる。ほとんどがプログラム・ピクチャーであったが、中には「深夜の告白」など、映画史に燦然と輝く名作も生まれた。60年代に入ってやがて絶滅した。



フィルモグラフィ [他]

 映画の作品目録。



フィル・ライト [撮]

 キーライトの影を和らげるための反射光などの補助ライト。おさえ。
→キー・ライト




封切り first run [映]

 一般公開される最初の上映。



ブーム boom [装]

画面の外で俳優の頭上にマイクをつり下げる移動アーム



ブエナビスタ [映]

 ウォルト・ディズニーの映画配給部門会社。ウォルト・ディズニー、タッチストーン・ピクチャーズ、ハリウッド・ピクチャーズの3スタジオが製作した作品を配給する。



フォー・ウォーリング 
four-walling
 [映]

 自主興行。映画館を借りて上映する。



フォーカス focus [撮]

 ピント。焦点。
→被写解深度




フォーカス・イン/フォーカス・アウト focus in/focus out [撮]

 トランジッションの一種で、ぼやけた画面が徐々に鮮明になりながらシーンに入るのがフォーカス・イン、逆がフォーカス・アウト。



フォーカス・プル focus pull [撮]

 移動中の被写体に常にピントが合うように焦点距離を調整すること。フォロー・フォーカス、プル・フォーカス。



フォームレイテックス [装]

 特殊メイク用のゴム素材。リアルな皮膚の感触を出せる上に、柔らかく、汗も通すので、長時間装着しておくことができる。



フォーリー・アーティスト foley artist [編]

 歩く音などを再現するスタッフ。



フォトキナ Fotokina [他]

 ドイツのケルンで毎年開催される写真機器の国際見本市。




フォトグラム photogram [他]

→スティル




フォトジェニー photogenie [他]

 
映像化されて初めてそのものの真実や美を表す特殊な性質。



フォトジェニック photogenic [他]

 写真うつりがいいこと。




フォロー・ショット [撮]

 カメラが被写体を追い続ける平行移動ショット。高度なテクニックを要する。ドリーを使ったフォロー・ドリー、パンで追いかけるフォロー・パンなどがある。



俯瞰 aerial shot [撮] 特集記事のページはこちらへ

 ハイ・アングル。ハリウッドでは極端なハイ・アングルを指す。ヘリやクレーンを使って撮影。



吹き替え [演]

1)観客にわからない代役。俳優の身代わりになる人形。スタンド・イン。ダミー。
2)外国映画のセリフを画面の俳優とは別の人がその国の言葉で吹き込むこと。アテレコ。




伏線 [脚]

 あとで起こる事件をわかりやすくするため、前もってさりげなく観客に示しておくもの。



ふせる [脚]

 観客にドラマの真相を隠しておくこと。こうすることで後で観客をびっくりさせることができる。



ブッキング [映]

 映画を公開する劇場を決定して押さえること。チェーンの場合は館数、単館の場合は座席数などを考慮してブッキングする。どういうブッキングをするかはマーケティングにおいてはとても重要である。



プッシュオーバー pushover [編]

 ワイプの種類のひとつで、次の場面が前の場面を押し出すように切り替わるもの。



フッテージ footage [編]

 撮影されたフィルムの尺数。



歩留まり [映]

 試写会で、当選した人と来場者の割合。



プライムタイム prime time [他]

 視聴者がもっとも多くテレビを見る時間帯。ゴールデン・アワー。



フライヤー flyer [映]

 ビラ。



ブラウン管 
cathode ray tube
 [他]

 テレビで、画像が映るところ。



プラグ plug [製]

 宣伝の種類のひとつで、番組の中で、商品のことについて触れること。このときの広告料をプラゴラという。



プラクティカル・セット practical set [装]

 実際に使用できる建物のセット。あるいは本物の建物。



プラクティカル・ライティング practical lighting [撮]

 一般家庭で使われている普通の明かりを照明に使うこと。



ブラックスプロイテーション・フィルム blaxploitation film [作]

 黒人が活躍する作品。黒人観客をターゲットにして営利をはかる。ブラック・シネマ。



ブラックマリア [製] 特集記事のページはこちらへ

 かつてエジソンの研究班が映画を作っていた小屋。世界最初の映画スタジオと言われている。



フラッシュ・カット flash cut [編]

 極端に短い一瞬のショット。フラッシュ・フレームともいう。




フラッシュ・バック flash back [編]

 回想シーン。未来の映像はフラッシュ・フォワードという。




フラット・ライティング flat lighting [撮]

 あまり明暗の差がない照明。



フランス映画社 [映]

 1968年に設立された日本の配給会社。「旅芸人の記録」、「ミツバチのささやき」、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」、「ベルリン・天使の詩」など、歴史的名作多し。



フリー・シネマ [作]

 50年代イギリスで起こったドキュメンタリー映画をめぐる運動。トニー・リチャードソン、リンゼイ・アンダーソンらによって提唱され、劇映画にも発展した。



プリークエル prequel [作]

 続編の一種。正編よりも時代がさかのぼった物語。



フリーズ [他]

 銃を向けるときに言う言葉で、「動くな!」の意。最近では字幕にそのまま「フリーズ!」とカタカナ表記されることがある。



フリーズ・フレーム freeze frame [編]

→ストップ・モーション



ふりこみパン [撮]

 パンニングの技法のひとつで、対象から対象へ急速にパンすること。



プリセール [製]

 海外の配給業者に映画を製作前の段階で売ること。それを担保として製作資金を借りる。プリセールス。



フリック [映]

 映画を指す俗語。”ちらつくもの”の意味。フリッカー。フリックス。



フリップ flip [編]

 ワイプの種類のひとつで、本のページをめくるように画面が切り替わる。



振付 blocking the scene [演]

 俳優と小道具類のカメラに対する動きや配置。



プリ・プロダクション [撮]

 映画撮影前に行う作業全般。企画からキャスティング、衣裳合わせなどを総じてこういう。
→ポスト・プロダクション




プリマドンナ prima donna [演]

 オペラ映画・バレエ映画の女性の主役。



プリント [映]

 劇場上映用フィルム。ふつう35ミリである。



ブリンプ blimp [撮]

 カメラ用防音カバー。



フル・アニメーション [撮]

 1秒間24コマのうち、フィルムの1コマ1コマで動きが違うアニメ。あるいは2コマ撮り(同じ絵を2度使用する)のアニメ。リミテッド・アニメ(3コマ撮り以上のアニメ)よりもなめらかな動きが表現できる。
→リミテッド・アニメ



ブルー・スクリーン blue screen [編]

 合成映像をつくるためのプロセス。
→マット・ショット




フル・ショット full shot [撮]

 被写体の全身を収めたショット。



フル・モーション [撮]

 CG映像で作ったモーション。従来のストップ・モーションにみられたカクカクした印象がなくなったため、こう呼ばれる。
→ストップ・モーション・アニメーション



フレア flare [撮]

 光を撮影するとき、角度によって現れる六角形のかすみ。フレア現象。



プレイステーション2 [他]

 DVDが見られるソニーの家庭用ゲーム機。DVD普及に大きく貢献している。



プレイ・バック play back [撮]

 あらかじめ音声を先に用意しておき、俳優がその音声に合わせて動作すること。
→アフレコ




フレーム frame [撮]

1)映画のひとコマ
2)フィルムの枠
3)映像




フレーム・イン/フレーム・アウト [撮]

 画面に対象が入ってくるのがフレーム・イン。画面から対象が出ていくのがフレーム・アウト。




プレーン・ライト [撮]

 もっとも一般的なライティング方法。フロント・ライトでは明暗に変化がないので、普通、やや斜めから光線を当てる。




プレス
[映]

 業界向けのパンフレット。プレス次第でも見方は変わってくる。



プレゼンス presence [他]

 映画を見ているとき、まるで現実の三次元空間を見ているような感じになるときの、その感覚を示した言葉。日本語に訳すと「臨在感」。「カイエ・デュ・シネマ」誌のアンドレ・バザンが最初に用いた言葉。




プレパブ
[製]

 招待券などを視聴者プレゼントとしてメディアに提供する広報活動。



プレビュー [映]

 一般人を招いて行う試写会。
→プレミア[映]




プレミア Adobe Premier [編]

 Adobe社が開発したノンリニア編集用ソフト。



プレミア
 premier show
[映]

 スターたちを招いて行う披露試写会。



プレミア
 Premier
[他]

 世界一有名な映画雑誌。



プログラム [映]

 上映中の作品のスタッフ・キャストの情報、ストーリー、解説と批評、撮影の裏話などを載せた本。映画館で売られる。パンフレット。



プログラム・ピクチャー [作]

 映画会社の企画で作る大量生産型のB級映画。定評のあるジャンルの作品を効率よく製作する。昔はよく二本立てで上映していた。



プログレッシブ出力 [他]

 映像データ出力形式のひとつ。1回のスキャンで525本の走査線をすべて描くことができるため、映像のチラツキや斜線や文字のギザギザが少なく、大画面でも走査線が目立ちにくい。



プロセス・ショット process shot [撮]

 マット・ショット、オプティカルなどを用いて撮影したショット。



プロセスティック・メイク [装]

 人工装具を装着していることがわからないほどリアルにメイクを施すこと。特殊メイク。



プロダクション
 [製]

 映画製作会社。特に、メジャー・スタジオに対して、小規模な独立系を指す。インディペンデント。



プロダクション・コード Production Code [映]

 1930年アメリカで出来た自主規制審査基準。暴力と性の描写を規制する。
→映倫




プロダクション・デザイナー [装]

 セットの設計から建築まで、映画の美術面・大道具・小道具に関する全てに携わる人物。



プロダクション・マネージャー [製]

 プロデューサーの下で、より現場に密着した作業を行う人物。



プロダクト・プレイスメント product placement [製]

 宣伝方法のひとつ。映画の中でさり気なく会社のロゴを写したり、主人公に商品を利用させる。



ブロックバスター blockbuster [製]

 大ヒットを目的として莫大な製作費を注ぎ込んだ映画、あるいは大ヒットした映画。



ブロック・ブッキング block booking [映]

 いくつかの映画をひとまとめにして契約すること。
→抱き合わせ




プロット [脚]

 映画の構想、筋。




プロップ [装]

→小道具




ブロデューサー producer [製] 特集記事のページはこちらへ

 映画製作者。映画に関わるスタッフの中で一番偉い。企画開発、資金調達、キャスティング、演出、編集、宣伝など、全てを指揮し、監督をクビにすることもできる。



プロパガンダ・フィルム [製]

 1986年に設立されたハリウッドのインディペンデント・プロダクション。「ワイルド・アット・ハート」、「ツイン・ピークス」(テレビ)などを製作。ミュージック・ビデオのシェアは全米3位内である。




プロパティ [製]

 商業価値を持つと見込まれる本、ゲーム、映画などのメディア。




ブロマイド [他]

 スターの写真。



プロモーション・ビデオ [製]

 販売促進のためのビデオ。たとえば、歌手のミュージック・ビデオなど。



プロローグ [脚]

 導入部。序幕。



フロント・プロジェクション [撮]

 合成映像を作るための特殊技術。あらかじめ撮っておいた映像を背景として使い、そのスクリーンの前で役者が演技をする。スクリーンの後ろから背景を映し出すのがリア・プロジェクション、スクリーンと役者の前からハーフミラーを利用して背景を映し出すのがフロント・プロジェクションである。

【は】 【ひ】 【ふ】 【へ】 【ほ】

【へ】


別録り [編]

 吹き替えで、普通とは違った質感で聞こえてくる声、例えばテレビから聞こえてくる声などを録音するとき、メインの録音とは別に分けて録音すること。



編集 editing [編]

 撮影後のフィルムを切ってつなげる作業。演劇にはない映画の醍醐味のひとつだ。



ベネチア映画祭 [他]

 イタリア・ベニスの国際映画祭。映画祭の歴史では最古で、戦前から開催されている。最高賞の呼び名は金獅子賞。




ぺら [脚]

 原稿用紙。



ヘラルド [映]

 日本の映画配給会社。ヨーロッパの地味な作品から、ハリウッドの大作まで、様々の映画を配給しており、規模でいえば独立系で最大。



ベルリン映画祭 [他]

 ドイツ・ベルリンで毎年2月中旬に開催される映画祭。世界3大映画祭のひとつで、カンヌ、ベネチアに次いで規模が大きい。最高賞は金熊賞という。

【は】 【ひ】 【ふ】 【へ】 【ほ】

【ほ】


ポイント・オブ・ヒアリング・サウンド
 [編]

 音声が、一人の登場人物の耳で聞いているように表現すること。



ポイント・オブ・ビュー [撮]

→見た目



望遠レンズ telephoto lens [撮]

 長い焦点距のレンズで、遠くにある被写体を拡大して撮影することができる。ただし、画角が狭く、奥行き感が出ない。
→広角レンズ




ボーイ・ミーツ・ガール boy-meets-girl [作]

 お決まりパターンの映画のこと。



ホース・オペラ horse opera [作]

 西部劇のこと。



ホールマーク・エンターテイメント Hallmark Entertainment [製]

 グリーティング・カードのメーカーが創設したテレビ映画を専門の製作会社。ハリウッドよりも贅沢に製作費をかけ、ファンタジーからディケンズものやミステリーまで、あらゆるジャンルの映画を製作。とくに映像化不可能といわれてきた古典小説の見事なまでの世界再現に定評がある。どれも放送時間はじっくりと4時間以上のものばかりで、数多くのライブラリの中でも日本では「ガリバー旅行記」が広く知られている。



ぼかし [編]

 半透明のマスクをかけて、性器などを見えなくすること。



ポジ [撮]

 フィルムで、光の強さがネガと反対のもの。上映しているフィルムはすべてポジである。
→ネガ




ポスト・シンクロサウンド [編]

 撮影後に加えられる音声。
→シンクロサウンド




ポスト・フラッシング post-flashing [撮]

 カラー・フィルム撮影後に、明暗を抑えたり、コントラストを調整したりすること。




ポスト・プロダクション [製]

 映画撮影後に行う作業全般。編集、試写などもポスト・プロダクションになる。



保税試写 [他]

 関税の手続きをすませていない輸入フィルムを試写すること。



ボディスーツ [装]

 特殊メイク用の装具で、体に装着して使うもの。



ボディダブル [演]

 主人公が裸になるシーンで、別のヌードモデルがスターの代わりに裸のシーンだけを演技する。顔や手首はスターが演じているので、裸体だけが画面に写っても、観客はそれをスターの裸体だと勘違いしてしまう。「サイコ」のジャネット・リーが最初。ジュリア・ロバーツは「プリティ・ウーマン」でボディダブルのお世話になった。
→スタント、スタンド・イン、吹き替え




ホラー映画 horror movie [作]

 恐怖映画全般。幽霊映画や血みどろの作品だけをホラーというのでは決してなく、「フランケンシュタイン」(文芸系)、「キング・コング」(SF系)、「サイコ」(サスペンス系)、「激突!」(アクション系)、「ゴーストバスターズ」(コメディ系)などもホラー映画に分類される。他のジャンルとは違って低予算のものが多く、一般人にはなかなか認められないが、その分マニアが多い。



ボリウッド [製]

 インドの映画業界のことを現地ではこういうらしい。



ボリューム volume [編]

 音量。



ホログラフィ holography [撮]

 立体映像の一種。レーザー光線を使い、角度差を利用して、特殊眼鏡を使わずに写真をあたかも立体的に見せる。ビックリマン・チョコで一般的に有名になったが、よくできたものでは写真のように色鮮やかなものや、動いているように見えるものなどもある。



本 script [脚]

→脚本




翻案 adaptation [脚]

 他人・他国の作品の筋などを借りて、時代・地名・人名などを変えて改作すること。たとえば、「ロミオとジュリエット」を翻案して作ったものが「ウエスト・サイド物語」である。



ポン寄り [撮]

 たとえば、男女が会話をしているシーンで、男女のフル・ショットから、男のバスト・ショットにマッチ・カットすること。