映画雑誌雑感
TV Taro

 番組表を眺めながら、じっくりと観たい映画を選んで、赤ペンでマルをつけるひとときが楽しくてたまらない。「テレビタロウ」は、「TVガイド」の映画部門による月刊誌で、これが日本で一番売れている映画雑誌ということになる。現在発行部数二番手の「Cut」と比べても、その3倍は売れているので、さすがに信頼度もナンバー1。劇場・DVD・テレビのすべてをカバーし、芸能ニュースも充実。番組表がついているので、実用性もピカイチ。読み物としても奥が深く、毎月これだけ買っていれば他に何もいらないだろう。だから僕も5年以上「テレビタロウ」以外の雑誌に見向きもせず、毎月「テレビタロウ」だけを読みながら映画の知識を蓄えてきた。「週刊シネママガジン」も「テレビタロウ」の洗礼を受けて生まれたのである。
 今回この企画のために様々な映画雑誌を研究させてもらったが、結局最後には僕の手元には「テレビタロウ」だけが残りそうだ。僕は他誌の新作映画特集記事を読んでいて、「観てみようかな」という気になることはなかったが、不思議と「テレビタロウ」の記事だけは「観てみようかな」という気にさせられてしまう。読者をワクワクさせるのが巧いのである。「ポーラー・エクスプレス」の特集を読んだときも、もう観たくてウズウズしてきた。特集する映画の選び方はハズレなしで、「Mr.インクレディブル」の記事だけでも9ページ、「ゴジラ」がらみの記事は5ページと、1作品に割くスペースも贅沢で読み応えがある。
 毎回2・3点あるスターのインタビュー・ページも楽しみのひとつ。写真が綺麗で、今回載っていたグウィネス・パルトローの写真なんかは最高に色っぽいアングルだった。こんなにドキドキさせるグウィネスを見たのは初めてで、この1枚だけで僕はグウィネスの虜になった。このように僕が「テレビタロウ」の1枚の写真がきっかけで好きになったスターは数知れない。どうしてこうもこの雑誌だけが飛び抜けて見せ方上手なのだろうか。
 誰が読んでも面白い内容だが、かといって機械的なデータ雑誌にはなってなくて、有機的でハートのこもった記事には脱帽! 僕にとって映画雑誌とは、すなわち「テレビタロウ」を意味する。

→「まとめ」へ続く

TV Taro

「月刊テレビタロウ」
株式会社東京ニュース通信社
毎月24日発行
発行部数64万部
http://www.tokyonews.co.jp/
book_pages/book_tvtaro_top.html

今回取り上げたナンバー
「2005年1月号」320円
表紙/トム・ハンクス(画:滝野晴夫)

※主な記事
トム・ハンクス一期一会
ピクサースタジオ体験記
おすぎのピックアップシネマ
兄弟ってすばらしい!

 

※「テレビタロウ」さん。一度だけウチのホームページを紹介してもらったことがあるので、本当に僕はお世話になりっぱなしです。この場で恩返しさせてください。

2004年11月26日