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「インターナショナル・インタビュー・マガジン」というコンセプトに偽り無く、雑誌の中心は海外の有名人のインタビューである。インタビューの内容の濃さは業界随一。リラックスして、本心を聞き出すインタビューは、他誌の格式ばったインタビューとは大違い。インタビュアーのコメントもそのまま立派なレビューとして成立している。そもそも創刊のきっかけは「真意を伝えるため」だった。
かつては「ローリング・ストーン」風の日本にはなかったタイプのインタビュー誌であったが、現在は映画雑誌という位置づけといって良い。といっても記事の内容は、とくに映画に限るという規則はなく、とにかく自由で挑発的。あくまでもカルチャー誌という扱いで通しロック雑誌のノリで編集しているため、他の映画雑誌に見られるマンネリ化した束縛感がまるでなく、全体的に見てもとても開放的である。他誌ででかでかと取り上げられている映画を平気で無視することもあり、その自由気ままさは企画と執筆を兼ねた編集者達の生き生きとした文章からも伝わってくる。
ロッキング・オンならではの編集者独自の趣味が表れた本なので、ゆっくりとマイペースで読める。用紙サイズの大きさには、否定的な声もあるが、僕はこの大きさもコレクター精神をくすぐられて好きである。色々な映画雑誌を読んだけれど、僕が一番好きなのはやっぱりこれかな。これからも毎月買っていきたいと本気で思った雑誌である。
→第5回「プレミア日本版」へ続く |
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「月刊カット (Cut)」
株式会社ロッキング・オン
毎月19日発行
発行部数25万部
http://www.rock-net.jp/cut/
今回取り上げたナンバー
「2004年9月号」690円
表紙/オーランド・ブルーム
※主な記事
いまもっとも美しい男たち
マイケル・ムーア、すべてに答える
ディレクター/アクター・トークス
ブルース・ムービープロジェクト
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