ジュリー・アンドリュースの言葉
<解説>
これはジュリー・アンドリュースが「メリーポピンズ」でゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞したときのセレモニー会場でのスピーチである。
ジュリーは舞台劇「マイ・フェア・レディ」で有名になった舞台女優だが、「マイ・フェア・レディ」が映画化されるとき、プロデューサーのジャック・ワーナーは、「舞台ではスターだが、映画ではまだ彼女は全くの素人だ」といってジュリーの出演を断ったのだった。ジュリーは相当怒ったのだという。ちょうどその頃、ウォルト・ディズニーはジュリーを「メリーポピンズ」の主演に出てくれないかとコンタクトしてきたため、ジュリーは「メリーポピンズ」で晴れて映画デビューとなった。ところがこれが大絶賛されて、映画版「マイ・フェア・レディ」の主演女優オードリー・ヘプバーンに勝ち、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の主演女優賞を受賞することになったのだ。
この一言は、もちろんあのとき自分を蹴った憎きワーナーに対しての当て付けである。
運命とは不思議なもので、もしジュリーがトントンで「マイ・フェア・レディ」に抜擢されたとしたら「メリーポピンズ」の出演は有り得なかっただろう。ジュリーはワーナーにバカにされたことで、その悔しさが闘うエネルギーとなって、成功を掴むことができたのである。相手を見返してやるぞという燃えさかる思いは、人の向上心を高めるのである。