映画雑誌雑感
DVDぴあ

 毎月20日に色々なDVD情報誌がドッと発売される。DVD情報誌は、映画雑誌の世界ではまさに「激戦区」と表現できるほど、競争が激しい。どれもコンビニで買えるし、お値段も手頃だ。情報量は最高級。どの本も取り上げている映画の傾向は同じで、話題の新作からB級ホラーまでなんでもありだ。この激戦区で勝ち抜くためには、あれこれ手を使って、とにかく面白い記事を書かなければならない。そういう好循環から、「映画について知りたければ、DVD情報誌を1冊だけ買っておけばいい」といわれるほどにDVD情報誌の内容は日に日に充実していっている。
 その中でも発行部数に反比例して内容面で「一人勝ち」といえるのは「DVDぴあ」ではないだろうか。たしかにこれ1冊買えば、他の映画雑誌を読まなくても情報はすべてカバーした気分になれる。「ぴあ」というブランド名の力もあるだろうが、その情報の早さ、豊富さ、詳しさ、読みやすさにおいて他を凌いでいる。ウンチクも多数あり、「デイ・アフター・トゥモロー」にちなんでのパニック映画特集など、分析の深さには脱帽である。また、「DVDぴあ」だけが角川春樹のインタビューを載せるなど、他誌にない充実ぶりを見せていた。新作セレクションのコーナーは非常にわかりやすく、クラシック映画のコーナーもしっかりしている。DVDソフトの一覧解説も丁寧。「ぴあシネマクラブ」と共に、僕もよく参考にさせてもらっている本だ。
 追記・発行部数がDVD情報誌として低かったせいか、休刊となったのが悲しいが、その分、ぴあの総合カルチャー誌「インビテーション」の映画雑誌化を願いたい。

→第11回「DVD&ビデオVISION」へ続く

DVDぴあ

「DVDビデオぴあ」
ぴあ株式会社
毎月20日発行(現在は休刊)
発行部数10万部

http://www.pia.co.jp/dvd/

今回取り上げたナンバー
「2004年10月号」400円
表紙/トロイ

※主な記事
パニック映画でいこう!
たくさん食べよう!秋のホラー狩り
再発見!角川春樹という映画
スペシャルインタビュー藤村志保

2004年9月30日