デイ・アフター・トゥモロー 監督:ローランド・エメリッヒ |
エメリッヒの映画にみなぎっているものは人類愛である。「インディペンデンス・デイ」では、アメリカを大仰なほど美化してみせたが、人類がひとつに団結することを熱弁するシーンなど、アメリカ人でなくとも、魂を揺さぶるものがあった。「デイ・アフター・トゥモロー」も大統領が出てきて、いかにもアメリカ万歳といった感があるが、描かれている本質は、万人に共通する人類愛である。恥ずかしいくらい真面目に愛を賛美している。エメリッヒの作品を嫌う人は、こういう人類愛が鼻につくからなのだと思うが、ここまで度が過ぎると、僕の場合、かえって清々する。人類のほとんどが凍死したにも関わらず、最後には心地よい余韻を残すのもそのテーマの大きさゆえだ。ラスト、宇宙から見る地球の白い大地のなんたる美しさか。「愛こそはすべて」と大真面目に言える楽観主義者だけがわかる感動がここにある。DVD情報 |
2004年6月20日 |