週刊シネママガジン今週のスターディック・ヴァン・ダイク
ディック・ヴァン・ダイク

ディック・ヴァン・ダイク
Dick Van Dyke
US Actor (1925-)


 日本でも割とテレビドラマの渋い脇役で有名なディック・ヴァン・ダイク。僕の大好きな俳優です。なんでいきなり彼ほど古い人を紹介するのかって、実は先日「ナイトミュージアム」(07)を見たのですが、この映画にミッキー・ルーニーと一緒に彼が出てたんですよね。しかも昔の面影そのままに、80を過ぎても相変わらず元気に演じていらっしゃったものですから、こりゃ紹介しなきゃと思いまして。髪の毛は全部白髪になっちゃってたけど、あの顔、あのおどけ方、あのしゃべり方は40年前のままじゃないですか。あまり言うとネタバレになっちゃうので言えませんけど、とにかく夢のある映画でして。

 メリー・ポピンズ(64)では大道芸人の役を演じていましたが、僕はこの映画を見たとき、アメリカにも昔からのっぽさんがいたんだなあと思ったものです。陽気に歌って踊って、お絵かきして、子供たちをニコニコさせる。そんな人です。映画で一番有名な歌「チム・チム・チェリー」を歌っていたのも彼ですね。親も子供も安心して見られる優しいお兄さんです(おじさんというほど老けてないので)。ジュリー・アンドリュースとは今もお友達だそうで、どこぞの授賞式にも一緒に出席してました。僕の想像ですが、ディック・ヴァン・ダイク演じる大道芸人も、かつてはメリー・ポピンズ先生の魔法の教育を受けたのかなあ、なんて思ったりしたものです。あのノリをそのままにイアン・フレミングの「チキ・チキ・バン・バン」(68)にも出てくれました。一度聴いたら一生忘れない素敵なテーマ曲を歌っていました。

 「メリー・ポピンズ」は舞台がイギリスですが、ディック・ヴァン・ダイクのイギリス英語は、自分自身でも「世界一下手なイギリス英語」だと言っていたそうです。たしかにあのしゃべり方はネイティブでない僕の耳にも、独特なアクセントに感じましたね。でも下手だとは思いませんでした。あのしゃべり方が面白くていいんじゃないですか。
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2007年9月17日