週刊シネママガジン今週のスターケイト・ウィンスレット
ケイト・ウィンスレット
ケイト・ウィンスレット

ケイト・ウィンスレット


 ケイト・ウィンスレットというと、誰しも最初に「タイタニック」(97)を思い浮かべるであろう。たしかにあれで名を知られたが、「タイタニック」の作品そのものの評価は高いのに、ケイト・ウィンスレットの人気は今ひとつという感じだった。あらゆるところで「デブ」とばかり言われていたし、正直言うと僕も「タイタニック」のケイトはあまり好きじゃなかった。海に向かってツバをはくシーンがはしたなく、かなりひいてしまった記憶がある。しかし、あまりにもケイト・ウィンスレットばかりがコケにされているものだから、僕はなんだか彼女が気の毒に思えてきたのである。ちっともデブじゃないのにデブデブと言われて、可哀相すぎる。その間にもケイトは「クイルズ」(00)や「アイリス」(01)など、巨匠監督のもとで着々と実力をあげてきたのだった。ケイトが出演した映画はどれも批評家から高く評価されている。もともと演技の腕はあって、「いつか晴れた日に」(95)からすでに国内の主演女優賞を取っていた実力派である。中傷ごときで彼女がコケるはずがないのである。
 そして2004年「ネバーランド」「エターナル・サンシャイン」で名誉挽回である。2004年はまさにケイト・ウィンスレットの年だった。「ネバーランド」と「エターナル・サンシャイン」は役柄は全く違うが、各誌で絶賛され、それぞれ2004年度のベスト10にランク・インされる傑作となった。「ネバーランド」を見ていたおばちゃんが「レオナルド・ディカプリオジョニー・デップにハンサムな人とばかり恋人になれて羨ましい女優だね」と言ってたのが印象深い。僕は「エターナル・サンシャイン」のケイトの方が良かった。軽くてお喋りでオシャレ好きという今までのケイト・ウィンスレットのイメージを払拭しており、これで彼女は各映画賞の主演女優賞を取ったのだ。今では彼女の大きな口も歪んだ眉毛も大好きである。
 ケイト・ウィンスレットの猛進はこれからも続きそうな気がする。日本でもケイト・ウィンスレット・ブームが起こるのは時間の問題である。
2007年にシネマガ殿堂入り
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2005年4月2日