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アニメーション映画の世界は、実写映画の世界とはまったくの異業種である。大勢のスタッフで作品を量産している実写映画業界とは違って、アニメーターたちは小さなサークルの中で地道に制作を続けているため、アニメーター同士の交流は篤い。その世界で、数多くのアニメーターたちが師と仰ぐ人物がユーリ・ノルシュテインである。アニメ大国日本には10回以上訪れており、高畑勲、川本喜八郎もノルシュテインと親交を深めた。かの手塚治虫もノルシュテインを尊敬し、ノルシュテインからもらったサインを書斎に飾っていたという。 デビュー作は「狐と兎」。切り紙を使ったアニメーションで、その詩的な映像が高く評価された。続く「あおさぎと鶴」では、切り紙にして、奥行きを感じさせる立体的な映像を作り出した。 20年以上もかけてまだなお現在制作中の新作「外套」(ゴーゴリ原作)は、モノクロームの大作になる予定。仮公開されたプロトタイプにしてアニメーターたちを驚かせた。完成が待たれる。 ノルシュテインは後進の育成にも尽力している。日本では毎年ラピュタアニメーションフェスティバルに参加し、ワークショップを開いて日本の学生達の前で講義している。 |
1941年ロシア郊外に生まれる。61年映画会社ソユーズムリト・フィルムに入り、「チェブラーシカ」のロマン・カチャーノフに師事。「イワンと仔馬」で有名なイワノフ・ワノーの助監督となる。73年「狐と兎」で初の単独監督作品発表。79年ソ連国家賞、91年アンドレイ・タルコフスキー記念賞受賞。
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2004年4月26日 |