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これは僕の大好きなゲームなので、ここでも紹介させてもらう。
とある宇宙で、踊らされている人々を助けるため、宇宙リポーターの「うらら」がテレビ中継でリポート開始。敵の踊りや演奏を真似て人々を助け、シチョーリツ(視聴率)をかせぐというのがゲーム内容である。「パラッパラッパー」を始め、10年前くらいからゲーム業界を呑み込んでいった「音ゲー」の流れをくむゲームだが、どちらかというと映像で見せるゲームとしての比重の方が高く、音楽ファンよりも映画ファンにプレイしてもらいたいゲームである。
いかにもミュージカル映画っぽくこれでもかこれでもかと盛り上げてくれる。とにかくエンターテイメントを追求したゲームである。操作方法も極めてシンプル。二人同時協力プレイなど、白熱必至だ。やっていて本当に踊りたくなってくる。僕はこのゲームと出会うまで、リズム感はてんでなかったが、このゲームのお陰で自然と音楽のリズム感、音楽の楽しさがわかるようになった。これは僕を音楽好きにした感謝すべきゲームなのだ。
宇宙を舞台にしたSFとはいえ、50年代を意識したレトロな映像感覚にも注目してもらいたい。テーマ曲「メキシカン・フライヤー」は渋い楽曲。ビッグ・バンド・ジャズのエッセンスを凝縮したこの名曲が、見事にゲームの世界にマッチしている。この「メキシカン・フライヤー」は映画『スウィングガールズ』でもメンバー達に演奏されたが、このゲームの映像もそのまま映画の中で使われており非常に興味深い。『スウィングガールズ』も「スペースチャンネル5」も、歌って踊って演奏することの楽しさを音楽初心者に教えてくれるところで共通している。
ところで、このゲームの主人公「うらら」は僕が知る限りではゲーム・キャラとしては最高に可愛いキャラだ。少女キャラが蔓延するこのゲーム業界にして、うららは大人のプロポーションをもちつつ、少女のような無邪気な心を持つ健康的なキャラである。声も素敵で、「あらかた救出しました」みたいにトボけたセリフがまた魅力的である。彼女の人気はアメリカも認めていて、MTVアワードにも出演したくらいだ。
このゲームにはあのマイケル・ジャクソンも参加しており、ゲームの中でうららと一緒に歌って踊ってくれる。マイケルは昔からセガびいきだったが、このゲームを「こんなにハッピーなゲームはない」と絶賛したそうである。マイケルのファンでなくとも、あの大物がゲームに出ているというだけでも嬉しくなってくるだろう。
制作メーカーはユナイテッド・ゲーム・アーティスツ(UGA)。名前からしていかにも映画ファンはニヤリとしてしまう。同社の水口哲也社長は僕も尊敬しているゲームクリエーターだが、UGAは「Rez」と「スペースチャンネル5」のたったの2本だけを発表して消えてしまった。しかし、水口氏は現在も映像制作ほか、国内外あらゆる方面で活躍している。
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▲キャラクターの可愛い動きを見ているだけでも無性に嬉しくなってくる。
▲この通り、おもっきり50年代のミュージカル映画を意識した映像になっている。
セガ「スペースチャンネル5パート2」
プレイステーション2用ソフト
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