転々

オダギリジョーさん

オダギリジョーさん

いつも奇抜なスタイルで登壇するオダギリジョーさんなだけに、この日もどのような格好で出てくるのかと、観客の皆さんはすごく楽しみにしていましたが、やはり期待を裏切りませんでした。

質問「『転々』の撮影について」
オダギリ「作品の内容とは裏腹に、現場ではすごく戦ってるという感じがあって、良い緊張感がありました」

質問「客観的に映画を見たとき、他の役だったら何がやりたかったですか?」
オダギリ「僕は脚本を最初に読んだとき、すごくギターマンをやりたかった。といっても皆さんはまだ映画を見てないからわからないですよね(笑)。ギターマンというキャラクターが出てくるのですが、僕が本当にやりたいと思った役なので、そこもひとつの楽しみにして見てください」

マイクを最初に渡されたとき、ちょっと緊張している様子で、意外にシャイな一面も見せたオダギリさんでした。


三浦友和さん

三浦友和さん

映画の中ではおかしな借金取りを演じていた三浦友和さん。舞台挨拶では、映画とはまったく違う、オーソドックスなスーツ姿で登壇しました。三浦さんは「どんな格好で来てもオダギリさんには勝てませんから」と言っていましたが、世界一の紳士服店のCMに出ているだけあって、さすがにスーツ姿では三浦さんに勝てる人はいませんね。とてもダンディです。

質問「今までに会った人の中で一番変な人は誰ですか?」
三浦「(オダギリさんの方を見ながら)このファッションですよ。どこからこういうものが生まれてくるかと不思議でしょうがない。オダギリジョーさんという人の、物のこだわり方というか、考え方というか、特別な美意識を持っていて、ものすごく良い意味の変人に会ったなあと思いました」

質問の答えがオダギリさんだったので、オダギリさんに「え?答えって僕ですか?」とつっこまれ、観客の皆さんは大笑いでした。


小泉今日子さん

小泉今日子さん

大人の女性の魅力満開の小泉今日子さんは、オダギリジョーさんの偽のお母さん役を演じています。

質問「『転々』の撮影について」
小泉「すごく面白い役を監督が与えてくれました。アドリブみたいなセリフもありますが、これは全部監督が考えたものを台本通り演じています」

質問「今だから話せるアイドル時代にした悪いことがあれば教えてください」
小泉「こんなところで言えないような悪さをいっぱいしていたような気がします。こっそりデートしたり、こっそり恋とかしてたから、それはプロダクションからしたら悪さだったかもしれません。人としてはごく普通のことですけど」

実は小泉さんはこの日『やじきた道中 てれすこ』の舞台挨拶にも登壇しており、1日で東京中あちこち移動して、計4回の舞台挨拶をこなす多忙ぶりでした。


吉高由里子さん

吉高由里子さん

不思議なマヨラー(どんな料理にもマヨネーズをかける)の女を演じた吉高由里子さんは、ちょうど1ヶ月前に開かれた試写会トークショーの時とはイメージが変わって、アジアンビューティーな雰囲気で登壇しました。

質問「『転々』の撮影について」
吉高「このメンバーの仲間に入れたことがすごく幸せに思えます。疑似家族なんですけど、すごく優しくて温かくて、三木監督がそれを見守っているような楽しい撮影でした」

質問「甘い物が苦手というオダギリさんが食べやすいように、チョコレートを何かで包むとしたら、何で包みますか?」
吉高「私で?なんて言ったら退きますね(笑)。甘い物が嫌いなら、最初からチョコレートには近寄らない方がいいんじゃないんですか?」

楽屋でオダギリさんたちから舞台挨拶のノウハウ?を教授してもらったらしく、皆から可愛いがられるマスコット的存在の吉高さんでした。


三木聡監督

三木聡監督

小ネタ王の異名をとる三木聡監督は、天才なせいか、話し方、物の例え方などがちょっと常識離れで、一般人のセンスでは理解しがたいところはありましたが、さすが監督とあって、舞台挨拶でも4人をしっかりとまとめていました。

質問「あの小ネタは、いつどこで浮かぶのですか?」
三木「幼稚園のころに木琴を叩いていたら急に木琴の玉がとれちゃって、それが一番最初の小ネタっぽい出来事だったかな。小ネタは5歳の頃からの積み重ねです。それがいつの時点で起きたことだったかまでは覚えてないけど、なんとなく過去の出来事を思い出して作っていく。追いつめられているうちに思い出すことが多いです」

質問「監督からお客さんにメッセージをお願いします」
三木「これだけの俳優とスタッフが集まって、こんなにくだらないことをやる機会はあまりないと思うから、その意味では僕自身も貴重な体験ができたと思います。自分なりの面白味を映画の中で見つけてください。怒ってもらってもいいです。たとえ怒ってても観客の感情が動くことは監督にとっては嬉しいんですよ。『転々』はお客さんを束縛しない、自由な見方ができる映画なので、楽しんでいただければと思います」

公式サイト→http://tokyosanpo.jp
レポート&写真撮影:澤田

2007年11月11日