週刊シネママガジン特別企画シネマガプレス第20回DVDでーた大賞

DVD情報誌「DVDでーた」(角川マガジンズ)が主催する「第20回DVDでーた大賞」授賞式が、4月24日、都内ホテルで開催されました。シネマガスタッフがその模様の一部始終を取材しました。

DVDでーた大賞の特徴は、他の映画賞にありがちな堅苦しさがないことですね。読者の投票も票数に大きく影響するので、批評家受けがよくても、観客受けが悪い映画は取ることができないのです。今までの大賞受賞作は、「ダイ・ハード」「タイタニック」「マトリックス」など。何かとコケにされることが多い「インデペンデンス・デイ」(僕、これ大好きなんですよ)もちゃんと大賞を取ってるんですから、とても素直な賞だと思いますよ。つまりは、DVDでーた大賞を取る作品が、イコール、その年最も話題になった映画であることは、ほぼ間違いないと思います。そういう意味では信頼度の高い賞ですね。

今年は創刊20周年。めでたいことです。第20回目とあって、例年よりももっと盛り上げていこうじゃないかという意気込みが伝わってくるセレモニーでした。

司会の笠井信輔アナウンサーと、DVDでーた編集長が過去20年間のビデオ、DVDの歴史をふりかえる第1部では、スクリーンに映し出される古いタイトルの作品を見て「ああ、こんな時代もあったな」と、会場に集まった格映画会社の社長の皆さん方も、バブルの頃を懐かしんでいるようでした。

笠井アナウンサーのトークは、「ブラピはセブン超えをできるのでしょうか」、「ダ・ヴィンチ・コードの謎解きは、答えを見てもわからないものばかりで、そこが良かった」などなど、褒めているのか、けなしているのかわからないスレスレのちょっぴり毒がきいたトークが面白かったです。

第2部では、いよいよ受賞作の発表です。まずノミネート作品を紹介した後、結果が発表されるのは一般的な映画賞と同じ進行方法ですね。

第20回を制したのは、ブエナビスタでした。「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」が外国映画部門とDVDでーた大賞を受賞し、「カーズ」がアニメ部門を受賞。合計3つの賞を取りました。思えば確かに去年はマスメディアのどこを見てもジョニー・デップの顔ばかりで、「デッドマンズ・チェスト」はまさに2006年最も話題になった映画そのものでした。さすがは天下のディズニー。敵なしといったところです。

日本映画部門はALWAYS 三丁目の夕日が受賞。山崎貴監督も出席していたので、ステージに上がったのですが、一度も客席に顔を向けることはなく、登壇者に向かって「おめでとうございます。良かったですね」と祝福の言葉を表しました。そう、この賞は監督にではなく、発売元・販売元の会社に対して贈られる賞なので、山崎監督にとっては「ありがとう」じゃなくて「おめでとう」なんです。

TVドラマ部門は今年も「24」の勝利でした。これで4年連続です。さあ、この連続受賞記録は何年続くでしょうか。

特別賞は株式会社ロボットが受賞。「ALWAYS 三丁目の夕日」「LIMIT OF LOVE 海猿」「タイヨウのうた」「UDON」、当サイトでも以前特集したサマータイムマシンブルースを制作した会社ですね。

今年は第20回授賞式ということもあり、DVDでーた読者に絶大な人気があるジャッキー・チェンにも特別賞が贈られました。残念ながら会場には本人は来られませんでしたが、ビデオレターで感謝の挨拶と新作の宣伝を兼ねたスピーチがありました。

DVDでーた大賞、最大の目玉は、ベスト・タレント賞です。今まで受賞した人の名前がすごいです。アメリカのグラミー賞は新人賞を取ると成功しないジンクスがありますが、DVDでーた大賞の場合、ベスト・タレント賞を受賞したタレントは、例外なく飛躍的に成功しています。10年間振り返っても、敬称は略させてもらいますが、伊藤美咲、深田恭子、上戸彩、仲間由紀恵、柴咲コウ、田中麗奈、菅野美穂、松嶋菜々子、吉川ひなの、広末涼子・・・。DVDでーた大賞のベストタレント賞が、いかに信頼できる賞であるかがわかるでしょう。

まさしくその年のナンバー1のタレントを決めるベスト・タレント賞。今年の受賞者は、蒼井優さんでした!

21歳ですでに10以上の賞を受賞している実力派ですよ。2006年に蒼井優さんが出た映画は、なんと12本(発売したDVDが6本、映画の制作と公開が5本、ドラマが1本)。中でも「フラガール」は映画賞各賞を総なめにした大傑作ですね! この他、蒼井さんは多数のCMにも出ましたし、まさに2006年の顔でした。

青いドレス姿で登壇した蒼井さんの細いこと。あどけなさの中に、落ち着いた感じさえありました。いくぶんか緊張していたのか、スピーチは「1年に1人しか選ばれない賞を私に下さってありがとうございます。この賞に恥じないようにこれからもがんばります」と簡単に終わってしまいましたので、笠井アナウンサーが「それだけ?」といって、それからいろいろな質問を蒼井さんに投げかけてきました。「仕事はどうやって選ぶの?」という質問には「事務所に決めてもらっています」と答えるなど、まじめな印象の蒼井さんでした。(取材・写真 澤田)

※蒼井優さんの写真は都合により2007年6月12日に削除しました。

DVDでーた http://www.dvddata-mag.com/


ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
DVDでーた大賞受賞「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」
・外国映画部門受賞「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」
・アニメ部門受賞「カーズ」


(左から)株式会社バップ、株式会社小学館、東宝株式会社
・日本映画部門受賞「ALWAYS 三丁目の夕日」
(一番右は山崎貴監督)


20世紀フォックス ホームエンターテイメントジャパン株式会社
・TVドラマ部門受賞「24 TWENTY FOUR シーズンV」


株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
・DVD特典部門受賞「ダ・ヴィンチ・コード・コンプリート・ボックス」


株式会社角川エンタテインメント
・未公開映画部門受賞「パニック・フライト」


株式会社ロボット
・特別賞受賞


ジャッキー・チェン
・特別賞受賞

2007年4月28日