週刊シネママガジン特別企画名言集マイケル・ムーアの言葉

マイケル・ムーアの言葉

マイケル・ムーア

ぼくをクビにした連中には一生感謝するよ。だってそれによってぼくは大切なことを学ぶことができたんだから。つまり人生にクソみたいなことが起こっても、絶対に絶望するなってこと。
「Cut」2004年8月号(ロッキング・オン発行)

 

<解説>
ムーア監督は、根はズボラで、引っ込み思案な性格だという。住んでいるマンションもずっと引っ越ししてない。そんな男だから、勤めている会社も惰性で死ぬまでやっていただろうと語る。しかし、仕事をクビになったことで、それが人生を大きく変えた。第一に、その悔しさがバネとなり、一歩前進する活力を作った。第二に、環境が変わったことで、今まで気づかなかったものが見えてきた。今後、どんなに屈辱的な経験をしたとしても、それが自分にとってプラスの経験になると思えば、度胸も沸いてくる。かつて内気だった青年が、今はセレモニーの席でブッシュを批判するほどになったのである。単調な人生には進歩はないということ。

<マイケル・ムーア豆知識>
ムーア監督は、日本では去年まで無名同然だったが、すでに英米では伝説的な男だった。「ボウリング・フォー・コロンバイン」のポスターは、海外ではムーア本人の写真だけでも十分に訴求力があったが、日本では彼の名前は全く通用しないとして、ボウリングのピンの写真に差し替えられた。
彼のセールス・ポイントは、アポなしであること。そのせいか、「華氏911」のタイトルはブラッドベリの「華氏451」からの無断借用で、ブラッドベリから非難されてしまった。おそらくポスターのブッシュの写真もアポなしだろう。

2004年7月21日