週刊シネママガジン特別企画名言集クリスチャン・ベールの言葉

クリスチャン・ベールの言葉

クリスチャン・ベール
キャスティングのさい、凡庸な映画監督は、俳優たちを過去に演じた役柄で判断するものなんだ。で、俳優を起用すると、過去にやった役を再度やるように求める。そうして俳優は同じキャラクターばかり何度もやらされるようになるんだ。それに対し、優れた監督というのは、俳優が演じたキャラクターの奥にある、本当の才能を見分けることができるものなんだ。
「Cut」2005年7月号(株式会社ロッキング・オン発行)

 

<解説>
「バットマン・ビギンズ」でバットマン役に大抜擢されたクリスチャン・ベールの言葉。クリスチャン・ベールの演じるバットマンはティム・バートンが作り上げた従来のバットマン像を大きく塗り替えるものであった。彼はマイナーな役者であったが、これがきっかけでメジャー・シーンに躍り出た。
役者が陥りやすいケースは、ひとつの個性から脱皮できなくなることである。例えば、ずっとラブコメディばかり出ていた人に、突然凶悪犯を演じさせるのは、製作者側にとってはかなりの冒険であろう。かりに実現したとしても、失敗する可能性がある。失敗すればその役者は大根役者の烙印を押されてしまう。
マイナーからいきなりメジャーへ。そのプレッシャーに打ち勝ったクリスチャン・ベールは、今自信に満ちあふれている。

2005年7月3日