オリビア・デ・ハビランド

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オリビア・デ・ハビランド  

 この人はというと、「風と共に去りぬ」(39)のメラニー役としてあまりにも有名なので、ほとんどそのイメージがファンの間で固定してしまった感がある。その意味においてはヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブルも同じだが、実のところはメラニー役は彼女にとっては珍しい役なのである。彼女は本来はアクション映画向きの女優であり、エロール・フリンのパートナーとして「海賊ブラッド」(35)、「ロビンフッドの冒険」(38)などに出演、一国のお姫様みたいな役どころと決まっていた。一番の主役は当然フリンなので、オリヴィアはむしろおまけみたいな女優だった。しかしこのままで終わるのはあまりにもつまらないから、オリヴィアは努力して努力して努力した。その成果がメラニー役だったのである。

 彼女の女優としての最大の目標はアカデミー賞を取ることだったように思われるが、メラニー役は絶賛されながらも、受賞を逃す。悔しいオリヴィアはまた努力して、いろいろな役に挑戦した。演技にかける意気込み、積極性にかけては当時はナンバー1といってもよく、役によって彼女の顔も自由に変化した。役ごとにこれほど顔を変えることができた女優はジョーン・クロフォードとオリヴィアぐらいしかいなかっただろう。その努力が報われるのは46年の「遥かなる我が子」でである。同作で念願のオスカーを手にし、それから間もなく「女相続人」(49)でも二つ目のオスカーを受賞する。ブス役を演じるというのは、ちゃらちゃらしたスターにはできない芸当である。「女相続人」でみせた愛憎の演技は、映画史上屈指の名演技として語り草になっている。しかしそれに満足してしまったのか、その後はパッとしなかったようだ。

 ついでだが、僕は何年か前に彼女のインタビューのビデオを見たことがある。とてもおばあちゃんとは思えない美しさだった。

 

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