「荒野の七人」に出たユル・ブリンナーのもうひとつの代表作はこれだ。時は近未来。ロボットたちと西部劇ごっこができるアトラクション施設で、いきなりロボットたちが壊れて、人間たちを襲うという話。「ジュラシック・パーク」っぽい展開であるが、監督は「ジュラシック・パーク」の原作者のマイケル・クライトン自身。これが初監督作である。スローモーションを多用するところがちょっとうるさく、展開があまりにも唐突すぎるのが残念なところだが、初監督作にしてはまあ上出来だろう。敵は射撃の腕は百発百中。完全無欠のロボットだからもう怖い怖い。ロボットの顔がパカッと外れたときは、そのギミックにSFマニア大喜び。しかし、ゆっくり歩いて敵を追いかけていく様は、後の「ターミネーター」そのまんまだ。キャメロン監督ももしかしたらこれをパクったんじゃないか?
でも僕自身は、ロボットが叛乱を起こす前の、ごっこ遊びしているシークェンスまでが好きである。ロボットだったらいくら撃ち殺しても殺人にはならないし、本当に西部劇のスターになった気分になれる。実際にこんな施設があったら、僕も行くだろうなあ。SFが好きな人は、たいていこういうごっこが大好きで、憧れるもんです。73年で、こういうストーリーをひねり出しただけでも、クライトンあっぱれ。
|