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下ネタ満載のパロディ・ホラー。これ、知っている人、結構いると思う。というのも、これが公開された年、年間興行成績は「M:I-2」に続く第2位だった。この手のアホ丸出し映画がメガヒットを飛ばすのは異例中の異例。ここではこの映画がどうしてそこまで受けたのか、考察してみよう。
いや実は僕は何の予備知識もなくこれを見たのだが、オープニング・シーンからしてかなり面白かったので、ついつい最後まで見てしまった。話全体にあまりつながりがなく、次々とギャグを突発的に放ち続けるため、飽きずに最後まで見させる。この次はどんなギャグがでてくるのだろうと「笑いのハラハラ」が楽しめる。しかもどのギャグも意外にハイセンスときてる。下ネタは下ネタなのだが、ひとつひとつにかなりの芸を感じさせ、思わず「うまい」と声をあげてしまいそうなギャグばかり。アメリカ人はよっぽどゲイネタが好きみたいだが、ここまでネタが濃いとかえって気持ちいい。
「マトリックス」はただでさえ料理のネタになってきた映画なので、今更この映画で真似されたところで白けるが、「シックス・センス」のパロディなどはかなり良くできていて僕もバカ受けした。「シックス・センス」の子役の真似を大人の黒人が演るギャップが笑えた。とはいっても、元ネタを知らずとも十分に楽しめる内容だ。パロディ嫌いの僕でも楽しめたのだから間違いない。
もちろんこの手の映画が嫌いという人には決してすすめてはならないだろう。露骨に下ネタばかりなので、不愉快に思う人もいるだろう。イチモツにもボカシはかからない。しかし下ネタ部分を差し引いてもこのバカっぽさは十分に楽しめるだろう。
僕が気に入ったのは4点ある。
1点目。最初の犠牲者が殺されるとき、なぜか自分の家の白いテーブルに銃とナイフと手榴弾とバナナだけが平然と並べておいてある。その絵があまりにもバカバカしくて笑った。
2点目。映画館で他人に迷惑をかけるうるさい女の人がいて、周りの客に次々と刃物で刺されるシーン。映画館ではマナーを守りましょう。
3点目。仮面をかぶった殺人鬼がマリファナを吸うシーン。なぜか仮面の表情までもほんわかした表情に変わってしまう。バカバカしいけどハイセンスで、なんだか妙に可愛らしくもある。
4点目。ドゥーフィという男。こいつが全体的に面白い。よだれがたれて「呑み込むのを忘れた」と言ったり、自分の指を嗅がせて「俺のケツだ」と言うところなど、喋り方が笑える。エンドクレジットの後のおまけ映像の小ネタも良かった。
日本では「早くもアカデミー賞絶望!」という思わずプッと笑わせるキャッチコピーで、白下着姿の美女をモチーフにしたモデルまで登場して宣伝したようだ。開き直ったようなその宣伝方法がまたたまらない。
どうしてこれが全米で受けたのか。それは、実は思いの外に練りに練られたギャグのセンスと、健康的な無名俳優たちだけでのびのびと作ったその無邪気な雰囲気のお陰だと思う。低予算っぽさもあまり感じさせないし、遊び心がいっぱいで、下ネタのアホ映画なのに、見終わったと、なんだか心がポカポカと温かい映画だ。チャーリー・シーンが続編に出る気になったのも理解できる。どれもこれもが可愛くって、僕の大好きな映画である。
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原題:Scary Movie(恐怖映画)
製作年:2000年
製作国:アメリカ
監督:キーナン・アイボリー
上映時間:89分
「最終絶叫計画」DVD |
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ネタにされちゃった映画たち
「スクリーム」(96年/米)
「ユージュアル・サスペクツ」(95年/米)
「ラストサマー」(97年/米)
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