週刊シネママガジンDVD/ガイド発掘ビジュアルトゥルー・コーリング

第4回「トゥルー・コーリング」(海外ドラマ)

 以前ウチのサイトで女優のエリザ・ドゥシュクを紹介したが、なかなかの反響だった。やはり「トゥルー・コーリング」効果だと思う。このドラマの隠れファンは案外多いみたいだ。僕も「トゥルー・コーリング」の大ファンで、最初に第1話を見てからというもの、それからは続きが楽しみで楽しみで、結局テレビ東京の放送を最後まで見てDVD-BOXまで買ってしまった。正直、エリザのページの紹介文だけでは僕自身もまだ物足りないと思っていたので、このページを使って改めて「トゥルー・コーリング」を紹介しようと思う。
 おおまかな内容は次の通り。死体安置所で働く女の子トゥルーが、死体に助けをもとめられると、時間が逆戻りして、1日を始めからやり直す。死体がいつどこで誰にどうして殺されたのか、謎を解きつつ、最後には死体が殺される前に何とか助け出すミステリー・ドラマだ。
 なにしろ時間が戻るのだから面白い。これから起こる出来事がすべてわかっているのだから、失敗をやり直すこともできる。自分を振った彼氏に皮肉の一言を言うことだってできる。そういうところがユーモラスなタッチで描かれるが、それよりもまずは殺人事件のミステリーの作り込みの奥深さに驚かされる。放送時間は1時間の枠内であるが、まるで2時間分の映画を見たかのようなボリューム感たっぷりのミステリーが1話1話完結で展開される。毎回毎回意外な人物が真犯人で、まんまとだまされる快感がある。殺されるはずの被害者がまだ殺されていないところが新しい感覚のミステリーだった。
 主演のエリザ・ドゥシュクがひたすらイイ。いつも悩ましげな表情で、眉間に皺をよせているのだけれど、そこがまた可愛くて。怖い怖い事件なのに、彼女は物怖じせず、信念を貫くため、勇気と知恵だけで事件を解決していく。女の子らしいブリッコは皆無。叫び声もあげないし、お色気作戦もなし。そこがヒロインらしからぬところで、好きである。衣装はエリザ自身の自前というが、どれもオシャレだった。ときどきドキッとするような色っぽい衣装もあったなあ。
 脇キャラもいい。トゥルーの上司役は、とてもシャイな男。トゥルーのよき相談相手。いわゆるモテない君。なんと彼はRPGファンという設定上の小ネタまで用意されてあった。その後恋人同士になるんじゃないかというほのめかしが良かったのだけど、これがなんと途中で打ち切り。なんてこったい。面白かったのに、かなり中途半端なところで終わってしまっている。何も解決していない。しかし頭からストーリーを見てきて思うに、後半にいくにつれて、取り返しのつかない展開になってきたのも明かではあった。
 そもそもこのドラマは当初から「死ぬ運命だった人を生かしていいのか」というところで問題になっていたようだ。で、後半から「死ぬ運命だった人は死なせておくべきだ」と主張するライバル・キャラが登場し、第2シーズンからは二人の知恵比べ対決がストーリーの主軸となった。人が死ぬか死なぬかで「私の勝ちね」「俺の勝ちだ」と、人の命をゲーム感覚に扱ってしまったあげく、ついには肉親の愛情まで疑わせるほどの内容になっていったため、結果として視聴率が落ちたのだと思える。それはそれで僕は楽しんでいたのだが、いずれにせよ打ち切りは残念である。第2シーズンから登場する精神科医のお姉さんがすごく綺麗な人で、いつも楽しみにしていたのになぁ。
 ふー、書くだけ書いてすっきりした。これも今回増設した新コーナー「発掘ビジュアル」だからこそできた特集である。これからは僕の好きな映像をここで好き放題取り上げていくぞ!

トゥルー・コーリング
▲この悩ましげな表情がイイんです。

 

トゥルー・コーリング
「トゥルー・コーリング」DVD

2005年11月4日