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近年はアメコミの実写映画化ブーム。「Xメン」「ファンタスティック・フォー」など、ありとあらゆるアメコミが出そろった感じである。中でもサム・ライミによる「スパイダーマン」はかつてないほどの成功を収めた。
1978年、サム・ライミよりもとうの昔にこのスパイダーマンをすでに実写化している猛者がいた。東映のスタッフたちである。完全な和製スパイダーマン。主人公ももちろん日本人(この当時から特撮のヒーローはハンサムだった!)。スパイダーマンの衣装と、壁を這う能力だけは原作に忠実ではあるが、それ以外は東映が好き放題にアレンジしたものだ。
当時の日本の少年達の多くはこの東映版「スパイダーマン」の洗礼を受けたらしい。この特撮シリーズは今では伝説と化している感さえあるが、この幻の特撮シリーズが、今年の12月9日、初回生産限定でDVD-BOXの発売が決定した。
僕も早速サンプルを拝見。1回の放送30分という番組枠内で1話完結、この短い時間にコンパクトに見せ場がまとまっていて、よくできたものである。僕はこの番組を今回初めて見たが、これがその後の特撮番組の原点になったということがよくわかる内容だった。久しぶりに子供心に帰って楽しませてもらったが、この年で見ると、悪女役のお姉さんがなんだか妙に色っぽく見えてきたり・・・。
とにかく東映の、すごい番組を作ってやろうという意気込みが全編から感じ取れる内容である。まだCGもなかった時代に、役者が体を張ってスパイダーアクションを見せるところはサム・ライミに影響を与えたのではないかと思うほど。場面の要所要所で必ずポーズをビシッビシッと決め込むところなど、子供達の目にはかっこよく見えたに違いない。
一番の功績は主人公が巨大ロボ<レオパルドン>の中に乗り込むギミックだ。このレオパルドン、登場するなり1分とたたずにモンスターをやっつける最強マシンである。何を隠そう、特撮TVシリーズの定番ともいえる巨大ロボの歴史は、ここから始まっている。
今回DVD化に際して、東映スタッフは原作者でありアメコミの神様と讃えられるスタン・リー先生にインタビューを決行した(BOXにも収録される)。聞けばリー先生はレオパルドンやスパイダーマンのアクロバティック・アクションを褒めているではないか。僕はてっきりリー先生の反感を買ったのではないかと思っていたけれども、本人は案外気に入っているようだ。原作者にまで太鼓判を押してもらったのだから、これは大したものだ。
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▲原作者スタン・リーが東映スパイダーマンと一緒にポーズ!!
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