『ガンジス河でバタフライ』
DVD発売記念上映会・ステージ挨拶
『ガンジス河でバタフライ』は、紀行番組でおなじみのたかのてるこさん原作を映像化したものです。名古屋テレビ(メ〜テレ)開局45周年を記念して制作され、去年10月に夜11時から2夜連続全国ネットで放送されました。出演する番組は必ず高視聴率になるといわれている長澤まさみさんが主演に招かれたのですが、テレビ局が期待していたほど視聴率はのびず、知る人ぞ知るドラマになってしまった観もあったかもしれません。しかし、脚本は宮藤官九郎さん、主題歌は矢井田瞳さん、出演者ラインナップに竹下景子さん、中谷美紀さん、荒川良々さんがいて、実はすごい作品だったのです。ドラマの内容も、インドに本当に行った気にさせる内容で、本場のインド映画を見るよりもインドをもっともっと間近に感じられる作品になっています。ガンジス河で本当にバタフライを泳いだ長澤まさみさんの体当たりの演技が見られるだけでも価値は大きいのではないでしょうか。
1月13日、六本木ヒルズのTOHOシネマズにてドラマのDVD発売を記念した上映会があり、主演の長澤まさみさん、脚本の宮藤官九郎さん、原作兼プロデューサーのたかのてるこさん(東映)のトークショーが開催されました。
このトークショーの焦点は主に3人がインドで体験した出来事に絞られました。宮藤さんはこの作品の脚本を書く前に、たかのさんと一緒にシナリオハンティングのためにインドに行くことになったとき、たかのさんに自分のパスポートを落とされて、さい先の悪さから成田空港を飛び立つ前に胃が痛くなったことを話しました。
ドラマの中ではたかのてるこ役を長澤さんが演じます。宮藤さんはたかのさんと大学のころ同級生だったので、たかのさんのことは性格からよく知っていましたが、だからこそてるこ役をたかのさんから長澤さんに「変換する」作業が大仕事だったと語りました。「まだてるこ役が男だった方が作りやすかった」とも。
なぜガンジス河でバタフライを泳ぐのかという質問に、たかのさんは「就職活動のときにアピールできるかなと思いまして」と一言。これはドラマのてるこ役と同じ理由です。宮藤さんは「全部本当のことだからすごいですね。お母さんが腹話術師なんてありえないもん。俺が考えたみたいに思われますよ」と返し、たかのさんのボケと宮藤さんのツッコミのやりとりは絶妙でした。
「船の油が浮いていた」というガンジス河に2日も入った長澤さんは、このドラマの撮影後、初めて心から「あ〜、疲れた〜」という感覚を覚えたとこのとで「疲れることの幸福感を初めて知った思い出深い作品になりました」と語りました。
長澤さんは、ドラマが大きなスクリーンでこうして大勢のお客さんの前で上映されることがすごく嬉しかったようで「これからもドラマも映画もいろいろとがんばっていきたいというきっかけになった」と成人式を目前に今後の抱負を語ってくれました。
2枚組のDVDには特典として宮藤さんとたかのさんがインドを旅している様子や、撮影の合間の長澤さんの映像などがびっしりと詰まっています。
(2008年1月13日・六本木) |