「アザーライフ -the
other life-」
この映画には、大きな「初挑戦」がふたつある。ひとつめの「初挑戦」は、監督が現役のサラリーマンということ。アメリカではM・ナイト・シャマランや「SAW」のジェームズ・ワンのように、無名の監督が脚本を書いて全世界ロードショーを実現しているが、日本では現役のサラリーマンがロードショー公開向けの映画を作るなどというのは前例がなかった。赤地義洋監督はサラリーマン職のかたわら、映画会社ディースクエア・ピクチャーズを設立。第一作目「Demon
X Demon」はキャスト・スタッフ無名で、広告宣伝を一切行わないにもかかわらず、ネット通販でDVD初回生産1000枚を完売した。続く2作目、3作目もクチコミでファンを拡大。「アザーライフ」は彼の初の劇場公開映画となる。
ふたつめの「初挑戦」は、映画の製作費を一般人に募ったことだ。2万円のノーマルコース、5万円のアドバンスコース、10万円のゴールドコース、20万円のプラチナコースの4コースに分けて約400人出資者を集めた。出資者は映画本編に名前をクレジット表記されるなど、夢のような特典を得ることができる。この画期的なシステムにより、1700万円の製作費を集めた。日本では個人がこれが映画製作の一員に参加した最初の映画となる。
最近巷で話題になっている映画は小説や漫画などを脚色した作品ばかりだが、「アザーライフ」は、オリジナルの脚本にこだわったミステリー映画だ。たくさんの登場人物が交錯し、予想もつかない展開にもっていくところなど、映画ならではのオリジナル・ストーリーの醍醐味に満ちている。
注目はマニアをうならせるキャスティングだ。年間10作品以上の映画に出演する名バイプレーヤーの遠藤憲一が主演を務め、女性に圧倒的人気を誇る「Studiio
Life」の笠原浩夫、岩崎大、山本芳樹、年間16万人を動員するトップクラスの「演劇集団キャラメルボックス」の有名舞台俳優大内厚雄、岡田達也が起用されているほか、雑誌「セブンティーン」でミス・セブンティーンに輝いたカリスマモデルの徳澤直子、仮面ライダーナイト役で有名な松田悟志が出演。また「王様のブランチ」の人気リポーター金田美香が映画初出演しており、ベテラン勢顔負けの名演技を見せている。
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