Presents 〜合い鍵〜

渋谷シネクイントにて公開中(全国順次公開)
企画/配給:アットムービー
(C)2006 ジェネオン エンタテインメント/アットムービー/衛星劇場

今までになかった新しいタイプの映画が始まりました。タイトルは「Presents」。直木賞作家の角田光代さんの短編小説を連続映画化して、クリスマス、バレンタイン、ホワイトデーなど、プレゼントシーズンのキャンペーンと連動してレイトショー上映しようというものです。渋谷パルコがコラボしたことで実現しました。ターゲットは恋人達。恋人達にはあまり縁の無かったレイトショーを、デートの時間に観るための映画にしちゃおうというわけです。上映時間も45分と観やすく、料金も1000円とリーズナブルです。小説は全部で12編。今回紹介する「合い鍵」はそのうちの1編で、第1作目になります。今後も第2作、第3作と、シリーズは続いていきます。家で恋愛ドラマを観るようなノリで、渋谷でデートした帰りにパルコで「Presents」を観て帰ることが、今後のトレンドになるかもしれませんよ。このシリーズは、プレゼントについて描くシリーズですから、このシリーズを観る前に恋人にプレゼントを買っておく、なんてのもオシャレかも。とにかくこれは今後見逃せないプロジェクトですね。

当スタッフも初日に取材に行ってきました。「合い鍵」は8年間つきあってきた男に振られた女が、失恋の痛手から吹っ切れるまでを描いた話です。短編なのにコンパクトにまとまっていて見応えがありました。ひとつの出来事にしぼって描いているので、ごちゃごちゃしていないところが感情移入しやすかったです。

ほとんどのシーンを広末さんと玉山さんの2人の演技で見せてしまうところはさすがですね。撮影初日に撮ったと言われる喫茶店での2人の会話シーン。2人のありのままの姿をアップでカメラに収めた映像が鮮烈な印象を残します。切なく、とても身につまされる内容ですが、見終わった後も、しばらく静かな良い余韻を残しました。監督が女性なので女心もよく描かれていますが、これは男性の目からみても、かなり考えさせるものがあると思います。恋人同士に限らず、女性だけで行くのもいいんじゃないでしょうか。
(取材/澤田)


広末涼子さん
「玉山さんは、休日によくテレビでみていました。ご一緒させてもらってとても安心感がありました」と撮影の裏話をしてくれました。

玉山鉄二さん
「広末さんが、現場に弁当をつくってきてくれて、それが本当に勘違いするくらいおいしかったです」と言って観客を笑わせていました。

日向朝子さん(監督)
「2人の会話のシーンは、2人のアドリブが半分以上入っているので、監督をしていた私が楽しかったです」と2人の演技を絶賛していました。

2006年12月11日