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「地上より永遠に」
監督:フレッド・ジンネマン 出演:バート・ランカスター、デボラ・カー |
海辺でランカスターとカーがロマンチックなキスをする恐らく映画史上最も有名なキス・シーン。今までどれだけパロディができたことか。アカデミー賞を受賞した名作であり、当時はなかなか新鮮だったようだ。不倫を描いて、映画の中の道徳の域を越えようとした作品であった。不倫だからこそキス・シーンも熱く感じるのだろう。 |
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「シティ・スリッカーズ」
監督:ロン・アンダーウッド 出演:ビリー・クリスタル |
ロン・アンダーウッドは密かに僕が期待を抱いている監督である。「トレマーズ」「愛が微笑む時」など、彼の映画のラストは決まってハッピーエンド。必ずキスで幕を閉じる。都会生活に疲れた親父たちの心温まる現代西部劇「シティ・スリッカーズ」は、忘れていた何かを思い出させてくれる作品で、アメリカで熱く歓迎された。アンダーウッドの描くキスには、温か味がある。 |
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「草原の輝き」
監督:エリア・カザン 出演:ナタリー・ウッド、ウォーレン・ベイティ |
今の青春映画には数多くのキスが登場するが、そういう現代派青春映画の先駆けといえる作品がこれ。キスの前に場面が変わったり、ロングショットになったり、ごまかしも多いけど、ディープキスなどもあり、まいど問題作を放つエリア・カザンらしい思い切った性映画であることには違いない。それにしてもナタリーはただひたすら可愛い。関係ないが彼女の次々と変わるヘアスタイルにも注目だ。左写真は中でも一番可愛かったキス・シーン。この映画は若さと活気に溢れている。 |
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「ローマの休日」
監督:ウィリアム・ワイラー 出演:グレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーン |
日本人に大人気のこの作品。恋を知らない王女さまが、グレゴリー・ペックと無邪気にデート。このはしゃぎっぷりが可愛くて、たくさんの名場面が生まれたけど、ロマンチックな2つのキス・シーンも忘れないで欲しい。2つとも素晴らしいが、別れのキスは特にじんとくる。これに比べて、最近の恋愛映画はシナリオは面白いけど、直感的に心に響くものがなくなったなあ。 |
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「エレファント・マン」
監督:デビッド・リンチ 出演:ジョン・ハート |
涙が出るほど残酷なキス・シーン。これはゴシック・ホラーのような悲しさがある。象のようにばかでかい顔を持つ奇形の主人公が、大勢の大人たちにいじめられながら、嫌がっているひとりの女性と強引にキスさせられる一コマ。通例キスはプラス・イメージであるが、この映画ではキスを負のイメージとして利用している。このときのBGMも恐ろしかった。 |
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「蜘蛛女のキス」
監督:ヘクトール・バベンコ 出演:ウィリアム・ハート、ラウル・ジュリア |
これって同性愛のキスだけど、なんかすげえ感動しちゃうんだよなぁ。キスしてるときのウィリアム・ハートの表情がいい。監獄に2人入れられ、最初はそういう関係ではなかったが、だんだんとそういう関係になっていく演出は、他のホモ映画にも見習ってもらいたい。余談だが、企画段階ではバート・ランカスターがオカマ役をやるはずだったらしい。 |
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「汚名」
監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:ケーリー・グラント、イングリッド・バーグマン |
当時、史上最長のキス・シーンといわれたのがこれ。昔はキスは3秒以上やったらはねとばされてしまうのだが、どうしても濃厚なキスを見せたくてたまらないヒッチ先生は、会話をしながらのキスをあみだし、カットしてしまっては話がわからなくなるので、まんまととぎれとぎれに2分から3分間の長いキス・シーンを作ったのだった。この作品に限らずヒッチ映画にはどこか色気がある。 |