アレクサンドル・ドヴジェンコ
映画の雛形を完成させたソ連映画界最後の師
![]() Alexander Dovzhenko (1894〜56) |
●サイレント期のソ連映画界 サイレント時代のソ連映画界は他の国とは明らかにスタイルが違っていた。これがいわゆる「モンタージュ理論」であり、映画編集の新しい雛形を完成させた。ヤーコフ・プロタザーノフを始め、レフ・クレショフ、ジガ・ベルトフなど、多くのソ連映画界の偉人たちが独自に新映画学を探求。中で、エイゼンシュタインとプドフキンはモンタージュの祖とされ、対照的に評価されている。ドヴジェンコは彼らに続くサイレント期ソ連映画界最後の巨匠となる。あまりにも出だしに遅れをとってしまったため、ドヴジェンコはあまり世間から評価されなかったが、ウクライナの農民たちの姿を叙情的なタッチで描写する手法は、エイゼンシュタインとプドフキンに「新しい映画作家の登場だ」と褒められた。しかし今日においても、何かとエイゼンシュタイン、プドフキンと比較される運命にある。 ●モンタージュよりも映像美に力をいれる ![]() ただ、他国で紹介された作品が少ないというところが残念である。日本で正式に公開された作品は「大地」と「イワン」の二本だけだ。本当は今こそ最も再評価すべき監督なのだが。 |
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