恋におちたシェイクスピア
Shakespeare in Love

★★★1/2

<アメリカ/1998年/恋愛もの>
監督:ジョン・マッデン
出演:ジョゼフ・ファインズ、グウィネス・パルトロー、ベン・アフレック、
ジェフリー・ラッシュ、トム・ウィルキンソン

ストーリーのネタはあかしていませんが、作風のネタはあかしています。

●フィクションとノンフィクションが溶け合う
 人類史最高の劇作家シェイクスピアの伝記?映画。
 この映画は何が凄いのかというと、物語と歴史の融合、そこに尽きる。
 シェイクスピアが生きた時代のイギリスを舞台に、その当時の文化をそのままに、シェイクスピアの人生をドラマにしてしまった大胆な企画! それだけでも凄いのに、彼の人生を「ロミオとジュリエット」のストーリーになぞらせた所がまたお見事。
 僕はシェイクスピア関連の本は一時期読みあさっていたので、時代背景は知っている方だと思っているが、例えば、当時の劇は女性の役も男が演じていたのだが、その辺のエピソードも面白く吸収させている。

 

●とにかく話術が巧い
 絶賛すべきところはストーリーの組立方である。シェイクスピア劇独特の「よくできた筋書き」「よくできた事件」「よくできた結末」がこの映画にも備わっている。イベント発生のタイミングは思わずニヤリとしてしまう面白さ。いいところに来たな、と嬉しくなる。それがまたシェイクスピア劇の展開にそっくりで、そこもまたファンを喜ばせる所以となる。
 というわけで同作は、シェイクスピアが好きな僕にもたまらない一本であったわけだが、でもやっぱり、本物のシェイクスピアの劇に比べたら、ちょいと劣っちゃうんだよね。そこが偽物ジョン・マッデン監督と本物のシェイクスピア様々の違い。

 

最後に一言:シェイクスピアは恋に激しいお人だ

(第11号 「新作映画辛口批判」掲載)


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