マネートレイン
Money Train

★★★

【R指定】
<アメリカ/1995年/110分/アクション>
監督:ジョゼフ・ルーベン
脚本:ダグ・リチャードソン、デビッド・ロウリー
撮影:ジョン・W・リンドリー/音楽:マーク・マンシーナ
出演:ウェズリー・スナイプス、ウディ・ハレルソン、
ジェニファー・ロペス、ロバート・ブレイク、クリス・クーパー

注意:ネタをあかしています。

●友情のドラマ
 子供の頃から兄弟のように一緒に生活していた警察官コンビの物語。黒人と白人なのに、”兄弟”というところが面白いところで、映画では何度も2人の友情について描かれる。黒人の兄の方はかしこい上に腕力も抜群で、優秀な警官だが、白人の弟の方は、賭博が好きで、借金生活、しかもへましてばかりして、取り柄のない駄目警官。こんな駄目な男を、兄がほんとの弟のように面倒みる姿は、感動的である。2人はラテン系の美人婦警に同時に恋をしてしまい、三角関係になるが、ここら変も、友情を取るか、愛を取るかと、考える様子がうまく表れている。

 

●そんなことしていいのかよ
 この映画は、反則。ブロックバスター系の商業映画なのに、ずいぶんと汚らしい展開をやってくれてる。兄が弟の片想いの女とヤリまくっているとき、弟の方は兄がくれた大金を盗まれた上リンチにあっている。ベッドシーンはこの上なく色っぽいのだが、弟が殴られるシーンは余りにも惨めだ。この2人を対照的に繋げて交替交替に見せるという、ひんしゅくものの大演出をやってくれたこの監督は何者だ!?
 この映画は、平たく言えば、警官が列車強盗をする話である。弟が金に困って、ついに列車強盗をやってしまい、そのまま列車でひたすら逃げまくる。このときの弟のどうしょうもない駄目男っぷりがなんと哀れか。同情さえ誘う。結局兄の説得があり、弟は改心、逃走をやめることにするが、一大アクションの後、最後の落ちで、改心したはずの弟の懐には大金が・・・。そこで幕を締めてしまうとは、これを素直に喜んでいいのか、こっちも疑問になる。

 

最後に一言:外観はノーマルだけど中身はアンチ

(第14号 「新作映画辛口批判」掲載)


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