インディ・ジョーンズ 最後の聖戦
Indiana Jones and the Last Crusade

★★★1/2

<アメリカ/1989年/127分/アクション>
監督:スティーブン・スピルバーグ
原作:ジョージ・ルーカス/脚本:ジェフリー・ボーム
撮影:ダグラス・スローカム/音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ハリソン・フォード、ショーン・コネリー、アリソン・ドゥーディ、
デンホルム・エリオット、リバー・フェニックス
(4月14日夜9時 日本テレビ系列で放送)

ストーリーのネタはあかしていませんが、作風のネタはあかしています。

●第3作はいかにもシリーズ映画的
 30年代の冒険活劇にヒントを得た「インディアナ・ジョーンズ」シリーズは、「レイダース」「魔宮の伝説」と、これで3つ目になるが、内容では「魔宮の伝説」が単独でも楽しめてベスト・ピクチャーといってよく、3作目となると、いかにも”シリーズもの”という印象を捨てきれなくなってしまった。
 その理由に、この映画は、インディアナの生い立ちなどがわかるストーリーになっており、更に、父親のヘンリー(ショーン・コネリー適役!)まで初登場するが、この親子関係が、今までのインディアナの性格を知っていないと楽しめない内容となっている。
 あの冷静なようでちょっと冴えないインディアナが、ファザコンっぽいところを見せるところが、この3作目の見所であり、また、インディアナの性格を知っているからこそ、父ヘンリーと性格を比較する楽しみも増えるのである。2人の行動パターンは、本人たちは大まじめでも、外から見ると実にコミカルだ。

 

●いつも摩訶不思議
 このシリーズが、他の冒険映画とは違う点は、現実の時代背景の中に、摩訶不思議な超自然の世界を上手い具合にミックスさせているところ。つまりノンフィクションのようなフィクション。そこが我々を一大アドベンチャーへといざなう仕掛けである。
 本作では、永遠の命が手に入る聖杯を巡っての冒険が軸となる。不老不死を題材にしたものは僕も凄く好きだが、ところがこれが、もっぱら親子関係を描くことに集中しすぎたせいか、ギャグが膨張して、冒険ロマンの醍醐味が殺げてしまっている。面白いことには変わりはないが、どうせならもっとスペクタクルを楽しみたかった。

 

最後に一言:「最後の」なんてサブタイトルつけるとファンが心配するよ

(第10号 「新作映画辛口批判」掲載)


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