ジュニア
Junior
★★★★
<アメリカ/1994年/110分/コメディ>
製作・監督:アイバン・ライトマン
脚本:ケビン・ワード、クリス・コンラッド
撮影:アダム・グリーンバーグ/音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ダニー・デビート、
エマ・トンプソン、パメラ・リード、フランク・ランジェラ
(4月21日夜9時 日本テレビ系列で放送)
ネタをあかしています。
●何やらすごいサイエンス
この映画はびっくりした。簡単にいえば「男が妊娠する話」。それだけきくと、なんか無茶苦茶なナンセンス・コメディを思い浮かべてしまうが、実はこれが科学的な見地から描いた、いまだかつてなかった高度な科学ドラマなのである。
”妊娠”というものがどんなものか、本作はその実体に迫っていて、そういう教育を受けていない僕ら男にとっては、実に興味深い内容。神聖な一大イベント”妊娠”を笑いの的にした想像力の豊かさはまさに感服だ。心境のほのかな移り変わりを、とてもコミカルに描出している。
演出したのは、「ゴーストバスターズ」の監督で、コメディ映画を得意とするアイバン・ライトマンである。
●シチュエーションが面白い
本作は、シチュエーションのユーモアに溢れている。妊娠してしまい、性格が女々しくなってしまうアーノルド・シュワルツェネッガーの姿は見ていてとても可愛らしいし、ひたすら実験がばれないようシュワにつっこみを入れるダニー・デビートとのコンビネーションも笑える。恋に鈍感な中年女を演じるエマ・トンプソンも適役で、彼女とシュワがしだいに惹かれてあっていく過程は、ちょっとずれてるとこが逆にハイセンス。
最後に一言:ニューハーフ大喜びか
(第11号 「新作映画辛口批判」掲載)