ジュマンジ
Jumanji
★★★
<アメリカ/1995年/103分/SF>
製作:スコット・ルーフ、ウィリアム・タイトラー
監督:ジョー・ジョンストン
原作:クリス・バン・オールズバーグ、ジム・ストレイン
脚本:ジョナサン・ヘンズレー
撮影:トーマス・アッカーマン/音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:ロビン・ウィリアムズ、ジョナサン・ハイド、
キルスティン・ダンスト、ブラッドリー・ピアース、ボニー・ハント
(4月2日夜9時 テレビ朝日系列で放送)
ネタをあかしています。
●奇想天外摩訶不思議アドベンチャー
「ジュマンジ」は思い切った映画だ。
奇想天外の冒険を描いている作品だが、その入り口は現実である。少年が変わったスゴロク・ゲームを発見するが、実はこれが呪われたゲームで、ゲームをひとたび始めてしまうと、次々と摩訶不思議な災難が降りかかってしまう話だ。
その災難というのが、動物の暴走あり、大洪水あり、様々で、とにかくこの映画では何でもやっちゃえって感じで、半分やけじゃないかと思えるくらい、好き放題しまくっている。そのことが、この映画を程度の低い映画にしてしまったようだ。変なハンターが出てくるあたりが、ちょっと幼稚で、どうにかしてほしかった。
アニマトロニクスやCGなど、特殊技術も駆使しているが、ストーリーにリアリティがないため、迫力がない。
●26年はあまりにも長い・・・
僕はこれを、オーストラリア旅行したとき、機内上映で見たが、その頃はつまらない映画だと思っていた。でも今再び見てみると、実はいいこと描いていたんだね。この映画は素晴らしい親子愛の映画だった。
親と喧嘩してしまい、家出しようとしていた少年が、ジュマンジの世界に26年間も閉じこめられてしまうわけだが、その間、何と父親は全財産をなげうって息子を探しつづけていたのだ。やがて大人になった主人公が家に戻ってきても、父親はもう死んでいない。26年間も、親は子を、子は親を思い続けていた・・・。余りのも長すぎる時間だ。何という悲劇か。これほど惨たらしいことがあっていいのだろうか。
その後、命からがらのハチャメチャ大冒険の後、全てが元通りになる。あの騒ぎは何もなかったことになる。しかし、少年だけは26年間の記憶を覚えている。そして少年は一度も抱きついたことのない父親にしっかりと抱きつく。26年間会ってないわけだから、そりゃ思い切り抱きしめただろう。そのシーンがあるから、この映画は救われる。
●ジュマンジを拾ったらラッキー?
ジュマンジは、見つけたものにとって、幸福なものである。主人公はジュマンジを見つけなければ、寂しい生活を送っていたかもしれないが、ジュマンジを見つけたことで、愛情を知ることができた。いってみれば、ジュマンジには害などまったくない。
それなのに、ラストでは辻褄の合わない落ちをつけている。これじゃ面白くない。その落ちがこの映画の品位を随分と落としてしまった。
最後に一言:家に戻る暇があるならサイコロをふれ
(第8号 「新作映画辛口批判」掲載)