スター・ウォーズ
エピソード1 ファントム・メナス
Star Wars Episode I The Phantom
Menace
★★★★
<アメリカ/1999年/133分/SF>
製作:リック・マッカラム/監督・脚本:ジョージ・ルーカス
撮影:デビッド・タッターソル/音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:リーアム・ニーソン、ユアン・マクレガー、テレンス・スタンプ、
ナタリー・ポートマン、ジェイク・ロイド、イアン・マクダーミド、
フランク・オズ、ケニー・ベイカー、アーメド・ベスト、ペルニラ・アウガスト、
アンソニー・ダニエルズ、サミュエル・L・ジャクソン、
オリバー・フォード・デイビス、ヒュー・クオーシー、レイ・パーク
ネタをあかしています。
●良い悪いなんて、俺たちには関係ないぜ!
「スター・ウォーズ」最新作の完成。それだけで感動だった。
まだかまだかの新シリーズがまさかの登場。夢じゃないかと、ファンのみんなは涙した。もはや、俺たちにとって、この映画の作品の善し悪しなどはどうでもよかった。
これはとにかく男の冒険心をくすぐる映画だ。ただただドンパチやって、チャンバラやってるとこを見るだけで、俺たちは最高にエキサイトできたし、CGで色んな生物やロボットが出てきて、現実ばなれしたスーパーアクロバットでそいつらをばったばったとやっつけていくシーンなどは、胸のときめきが抑えられなかった。
スピーディなポッドレースも素晴らしい。俺は感動して、まじで泣きそうになったぞ。まだ小さな少年が、レースに出場して優勝するこのかっこよさ。これは男の感動だ。
この映画には男の夢とロマンが凝縮している。女にこの興奮がわかってたまるか(失礼しました。本気じゃないです)。
●正々堂々? あっけない!
この映画ではせっかく素晴らしいアクション・シーンが沢山あるのに、これまた男のロマンを汚すシーンがある。まずひとつ。大ボス相手に2人がかりで戦うせこさ。あれじゃかっこわるすぎる。
次に、主人公クワイ・ガン・ジンのあっけなさ。あれだけ活躍していながら、あんなに簡単に死ぬのもねぇ。その主人公を殺した強敵を、弟子のオビ・ワン・ケノービはこれまたあっさりと殺してしまった。これじゃ誰が強くて誰が弱いのかさっぱりわからんぞ。ルークとダースベイダーみたいに、もっと歯ごたえのある一対一の勝負をしてくれたらかっこよかったんだけどな。
●話は離れるけど、このシリーズはしだいに落ちていくのだろうか・・・
面白いシリーズなのに、どうにかしてほしい箇所があるんだなぁこれが。
このシリーズは77年の「エピソード4」が、単純な英雄伝物語風で素直に楽しめたが、だんだん作品数が増えるごとに、キャラクターも増えて、関係が複雑化して男のロマンがしだいに削げていっている。「エピソード1」でますます人物展開はごちゃごちゃになってきた。
まあ、その設定の幼稚さも吹き飛ばすパワーに満ちたシリーズではあるのだが、このままだと個々のアクション・シーンしか楽しめないシリーズになってしまいそうな気分である。ともかく、「II」に更なる期待を持つことにしよう。
最後に一言:アミダラ姫のメイク怖い
(第10号 「新作映画辛口批判」掲載)