バードケージ
The Birdcage

★★1/2

<アメリカ/1996年/119分/コメディ>
製作・監督:マイク・ニコルズ/原作:ジャン・ポアレ
脚本:エレメイン・メイ/撮影:エマニュエル・ルベツキー
音楽:ジョナサン・チュニック/美術:ボー・ウェルチ
出演:ロビン・ウィリアムズ、ネイサン・レイン、
ジーン・ハックマン、ダイアン・ウィースト、ダン・ファターマン

作風をあかしています

●また現れたゲイ・ムービー
 むむむ。ここ最近はゲイ・ムービーがときたま公開されているようだが、また現れたか。とはいっても、かなり派手な部類に入るコメディである。「卒業」マイク・ニコルズが監督しているが、マイク・ニコルズは性的会話を美徳としているのか、自作でよく性について語ってきたが、ついに同性愛をこうもあからさまに描写してしまったか。今までハリウッドで売り出されたゲイムービーはどれも深刻だったり、物静かな印象が強かったが、ニコルズはそれを笑いに変換させて、ただただバカ騒ぎに興じた。

  

●笑いの種は「オカマ」
 この映画の面白さは、「ゲイであることを隠すこと」である。結婚を願う男と女のご両家がご対面といきたいのだが、片やゲイカップル、片や保守派の上院議員なので、話がうまくまとまるはずがない。そこでゲイカップルは自分たちがゲイであることを隠すのだが、もうオカマ的仕草が身についてしまっているので、男らしくできない。そこから笑いが膨らんでいくのだが、そこまでの前置きがやたらと冗長で、結局はネイサン・レインのオカマっぷりしか楽しめない。他に笑いはなかったのだろうか。
 ただし、このゲイカップルのあつあつ度は、愛という観点から捉えれば、結構羨むべきだったりする。ゲイ・ムービーは普通の恋愛もの以上に、愛の尊さを感じさせるのだ。

(第19号 「新作映画辛口批判」掲載)

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