フォレスト・ガンプ/一期一会
Forrest Gump
★★★★
<アメリカ/1994年/コメディ>
製作:ウェンディ・ファイナーマン、スティーブ・ティッシュ、スティーブ・スターキー
監督:ロバート・ゼメキス
原作:ウィンストン・グルーム/脚本:エリック・ロス
撮影:ドン・バージェス/音楽:アラン・シルベストリ
出演:トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ライト、ゲイリー・シニーズ
(3月11日夜9時 フジテレビ系列で放送)
ネタをあかしています。
●愛国心まるだし映画
アカデミー賞を受賞。そりゃそうだろう。この映画からはアメリカの愛国心がぷんぷん匂ってくる。いわゆる”アメリカン・ドリーム”って奴も描かれている。
内容は、IQの低いフォレスト・ガンプという男の人生を通して、アメリカの歴史を辿っていくというもので、ベトナムやヒッピー、ウォーターゲート事件などにもユーモラスにふれており、ジョン・レノンやニクソンなど、歴史上の人物も登場。この映画を見れば90年代後半のアメリカ史がわかるといってもいい。
BGMにもアメリカでヒットしたフォークソングやサイケデリック音楽がガンガン使われ、盛り上がっている。
●CGと気づかせないものがCGだ
これが公開された当時はCGの進歩が目覚ましく、話題の的であったが、それをますます面白くしたのがこの映画である。CGをCGと気づかせないように利用したのだ。トム・ハンクスがジョン・F・ケネディと握手したり、さも本当に足を切断したかのような驚異的映像も見られる。
●ジャンルなんでもあれ
僕がこの映画を見て最初に思ったことだが、この作品には、あらゆるジャンルが含まれている。ヒューマンドラマ、コメディ、戦争映画、歴史劇、社会派ドラマ、etc,,, うーむ、これだけバラエティ豊かだと、そりゃ受けるわい。
●走り続けるから感動的
この映画の主人公はとにかく走ることが好き。その走る姿がなぜだかすごく感動的。とくに、ギプスが外れて走り出すガンプ少年のシーンは何だかじーんときて涙がでてきた。アメフトの場面で、ガンプが何も考えずに思い切り走るシーンもいい。
その姿にどうして感動してしまうのか、たぶん、あまりにも一生懸命に走っているから、そこが前向きな人生観というものにつながるからだろう。
この映画では一貫して何かそのような強い生き方が描かれており、我々は無意識にそれを学ぶことができる。だから面白いのだ。
最後に一言:”一期一会”という言葉を流行らせた作品でもある
(第5号 「新作映画辛口批判」掲載)