20世紀ノスタルジア
★★1/2
<日本/1997年/93分/ミュージカル>
監督・脚本・音楽:原将人/出演:広末涼子
●お歌がとっても可愛いぞ
自主映画を制作するお話なんで、自分とダブってけっこう関心度が高かった作品だ。とはいっても、この映画の主人公たちは、映画を僕らみたくぴりぴりしながら撮るのではなくて、自由気ままに好きで撮っているのが微笑ましい。ドロドロした恋愛じゃなくて、宇宙人になりきってのメルヘンぽいロマンスなのがよろし。
一番良かったのは、歌かな。いかにも子供向けミュージカル・タッチの歌で、とても可愛いらしかった。これはもしかして歌の方が先にできて、その後にストーリーができたのではないか? そんな気がする。歌いながら自分で自分を撮ったカメラ目線のツーショットのビデオ映像が、これまた宇宙人の無垢なイメージとマッチしていてイー感じ。中には美的・野心的な映像も見られるが、見所は何と言ってもこの歌だね。物語の進行はだらだらしてるけど、この歌の場面だけはなかなかよくできている。
最後に一言:自主映画はミュージカルが狙い目ですな
(第39号 「新作映画辛口批判」掲載)