13ウォーリアーズ
The 13th Warrior
★★1/2
【R指定】
<アメリカ/1999年/アクション>
製作・原作・脚本:マイケル・クライトン
製作・監督:ジョン・マクティアナン
撮影:ピーター・メンジーズJr./音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:アントニオ・バンデラス、オマー・シャリフ
ネタバレはしてません
●スペクタクル映画なのに、なぜそこまで話題になっていない?
答えは簡単。大衆はこの手の中世スペクタクルが苦手なのである。今の大衆はもっぱら現代劇か、SFを好む。
原作は最高のSF作家の一人であるマイケル・クライトンであるが、この作品は彼にしては珍しいSF色の薄い作品だ。だから、ファンを捉えることはできなかつたようだ。
監署も「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナン。主演も「マスク・オブ・ゾロ」のアントニオ・バンデラスという豪華さ。おまけに「アラビアのロレンス」の名優オマー・シャリフも脇で出演しているというのに、この映画はさほど大きな宣伝はされなかった。
「それって不公平じゃーん」みたいな感じもするけど、よく考えると、クライトンの作品はどれも、どこかB級的な雰囲気がするような気がする。この映画だって、セットは豪華だが、ストーリ一はメジヤー向きではない。
●邦題と原題は、見た目は同じでも意味はえらく違う
洋画の日本公開時にありがちなパターンである。原題は「13人自の戦士」という意味だが、邦題は「13人の戦士たち」という意味だ。明らかに意味が異なっており、映画の内容からしてみると、この邦題はひどい。
●うーむ、ピンとこない
ジョン・マクティアナンの作品は「ダイ・ハード」や「レッド・オクトーバーを追え」など、見ている自分も主人公になった気分になってハラハラドキドキできるから面自い。対してマイケル・クライトンの場合は、「ウエストワールド」や「アンドロメダ…」など、一場面一場面の感覚が、いまだかつてない視覚的体験を味わわせてくれて、面白い。しかしその2人が組んでしまうと、どうだろう、これが水と油である。動と静がうまいこと融合することができぬままに終わってしまった。
だからこの映画は1シーン1シーンに説得力がないのである。登場人物に感情移入ができにくいし、見ていてピンとこないのだ。
最後に一言:スケールはでっかいのに・・・
(第3号 「新作映画辛口批判」掲載)