今週のスター 

No.117
ジャン・マリア・ヴォロンテ
Gian Maria Volonte (1933〜1994)

 実は名優だっちゅーの

 するどい目つきがセクシーなジャン・マリア・ヴォロンテは、「夕陽のガンマン」(65)など、マカロニ・ウエスタンの極悪非道な悪役のイメージが多分に強いが、実は世界的に有名なイタリアの名優なのである。それも出演作は社会的なものが多く、社会派監督フランチェスコ・ロージの作品にもいくつか主演している。あくまでマカロニよりも「死刑台のメロディ」(70)などのようにもっと作品として主題性のあるものに出演しようする彼の姿勢は素晴らしい。彼は自分に向いていない作品は必ず蹴り、左翼的な作品ばかりに出演していたのだ。ヴォロンテ自身、左翼であり、共産主義活動などにも参加していた。

 国際的な賞も多数受賞しており、
「労働者階級は天国に入る」(71)と「黒い砂漠」(71)はカンヌ映画祭最高賞をダブル受賞。「エボリ」(79)はモスクワ映画祭最高賞、「マリオ・リッチの死」(83)はカンヌ映画祭主演男優賞を受賞した。

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No.118
リー・ヴァン・クリーフ
Lee Van Cleef (1925〜1989)

 西部劇の名脇役

 リー・ヴァン・クリーフが映画に出だしたのは25歳からであるが、その当時は西部劇のやられ役ばかりで、大した役はもらえなかった。実は「真昼の決闘」(52)、「OK牧場の決闘」(57)、「リバティ・バランスを射った男」(62)など、西部劇の名作にもいくつかチョイ役で出ていた。「真昼の決闘」はひそかにマニアックなキャストが勢揃いしているのだが、いったいリー・ヴァン・クリーフは何の役だったっけ? そんな感じだろうか。

 ある日、彼のもとに幸運が訪れる。イタリアに招かれたのである。当時のイタリアではアメリカの俳優を使って西部劇を撮るのがひとつの流行であった。クリント・イーストウッドと同じく、リー・ヴァン・クリーフもセルジオ・レオーネの西部劇に出演。
「夕陽のガンマン」(66)は主演のイーストウッドを喰うほどのかっこよさであった。これでようやく脚光を浴びて、アメリカの西部劇でも活躍するようになった。日本ではTVCMにも出演したらしいけど、いったい何のCMだったんじゃ?

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No.119
フランコ・ネロ
Franco Nero (1941〜)

 マカロニが生んだヒーロー

 イタリアでマカロニ・ウエスタンが流行していた頃、イタリアの俳優フランコ・ネロも「続・荒野の用心棒」(66)に主演。マカロニ・ウエスタンはもともとアメリカ人に役を演じさせたイタリア映画だが、フランコ・ネロはイタリア人でありながらアメリカ人の主人公を演じていたのだ。同年は「殺しのテクニック」(66)というアメリカ臭いイタリア映画にも出ており、いかにフランコ・ネロがアメリカ的だったかということだ。彼が「続・荒野の用心棒」で演じた一匹狼ジャンゴはまさしく当たり役で、彼はこれから後もジャンゴ役で多数マカロニに出演。これが評判になって、彼はハリウッド、イタリアで国際的に活躍する主演級スターとなる。いやはや機関銃で敵を蹴散らす姿が、新感覚の西部劇テイストで、なかなか気持ちよかった。

 他の代表作は
「キャメロット」(67)、「哀しみのトリスターナ」(70)。

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