今週のスター 

No.114
ピーター・カッシング
Peter Cushing (1913〜1994)

 怪奇映画御三家の一人

 ボリス・カーロフを引き継ぐイギリスの名ホラー役者。
 ホラー御三家の中では僕はこの人が一番好きだな。ホラー好きの僕はカッシングは結構憧れでもある。
「フランケンシュタインの逆襲」、「恐怖の雪男」、「吸血鬼ドラキュラ」、「ミイラの幽霊」、「妖女ゴーゴン」、「テラー博士の恐怖」、「血に飢えた島」、「高熱怪物の恐怖」、「残酷の沼」、「吸血蛾クレア」、「狂ったメス」、「フランケンシュタイン・恐怖の生体実験」、「バンパイア・キラーの謎」、「怪奇!二つの顔を持つ男」、「ドラキュラ・血のしたたり」、「ゾンビ特急地獄行」、「デビルナイト」、「怪人ドクター・ファイブの復活」、「呪われた墓」、「スクリーミング夜歩く手首」、「マッドハウス」、「美女を喰う館」、「娼婦と狼男」などに出演。こいつはホラーしかでないのかってくらいホラーばかり。中でもフランケンシュタイン博士の役とバン・ヘルシング教授の役は生涯のはまり役だ。

 出演作がB級映画ばかりなので、日本ではなかなか紹介されず、カッシングは日本じゃ知る人ぞ知る存在であったが、とはいっても、
「バスカヴィル家の犬」(59)という作品とBBCのテレビシリーズでは名探偵シャーロック・ホームズを演じており、ホームズ・ファンが最も愛するホームズ役者のひとりだった。このやつれた頬は、ホラー映画だけでなく、ホームズのイメージにもマッチしたわけである。そういえばホームズ役者ってのはみんなどこかピーター・カッシングの影響を受けている感じがしないでもないな。

 ジョージ・ルーカスも恐らくカッシングのファンだったのだろう。実は
「スター・ウォーズ」(77)で彼を起用している。それも帝国軍で一番残忍な役だ。一作目で宇宙艇ごと爆死してしまうため、一本だけの出演となったが、あのキャスティングはマニアにはたまらんかっただろう。

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No.115
クリストファー・リー
Christopher Lee (1922〜)

 怪奇映画御三家の一人

 ベラ・ルゴシを引き継ぐイギリスの名ホラー役者。
 とにかくドラキュラなら俺だ、という感じで、ドラキュラ役であらゆる映画に出演。ほんとドラキュラだけでよくもまあここまで色々出たものである。飽きられてからはドラキュラ映画のパロディに出演するようになった。一生ドラキュラやってて欲しい役者である。とはいいつつ、実はフランケンシュタインの役もミイラの役も演じたことがあり、ホラー映画の顔役的存在だったようだ。出演作は
「フランケンシュタインの逆襲」、「吸血鬼ドラキュラ」、「ミイラの幽霊」、「死霊の町」、「ジキル博士の二つの顔」、「恐怖」、「血の河」、「海賊船悪魔号」、「顔のない殺人鬼」、「生きた屍の城」、「妖女ゴーゴン」、「テラー博士の恐怖」、「怪人フー・マンチュー」、「がい骨」、「高熱怪物の恐怖」、「吸血魔のいけにえ」、「悪魔の宴」、「悪魔の快楽」、「怪奇!血のしたたる家」、「ゾンビ特急地獄行」、「デビルナイト」などなど。ほとんどの映画はハマー・プロの作品でピーター・カッシングと共演している。どれもはっきりいってつまらん内容なので、忘れられたものが多いが、しかしこれがホラーマニアにはたまらなく愛らしいのである。

 ホラー以外では
「シャーロック・ホームズの冒険」、「三銃士」、「007/黄金銃を持つ男」、「1941」などの作品がある。でもそれはほんの一部で、彼は生涯を通してホラーで生活費稼いでるみたい。

 あー、ホラー俳優といえる人で、生きている人はもうクリストファー・リーだけになった。この前は
「スリーピー・ホロウ」で久々にホラーやってくれて、嬉しくなった。頼むからもっと出てくれぇ。そんな彼は実はオペラ通&クリケット通であった。

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No.116
ヴィンセント・プライス
Vincent Price (1911〜1993)

 怪奇映画御三家の一人

 ロン・チャニーを引き継ぐアメリカの名ホラー役者。
 クリストファー・リー、ピーター・カッシングとは違い、アメリカの俳優なので、活躍の土俵はまるで異なるが、それでも「怪奇映画御三家」という異名を欲しいままにすることができたということは、彼には相当な実力があったに違いない。

 彼が恐怖映画にのめりこんだのは、3D映画
「肉の蝋人形」に出たことがきっかけである。その後「蠅男の恐怖」に出て、続いてロジャー・コーマンの下でエドガー・アラン・ポーの怪奇映画に立て続けに8本も出演している。リーとカッシングが英国のゴシックホラーに挑むなら、プライスはアメリカの怪奇小説で対抗した。ここから人気が急激にアップし、アメリカでは知らない人がいないほど有名になった。

 僕が気に入っているのは、マイケル・ジャクソンの
「スリラー」である。この曲で怖いラップ・ナレーション読んでいたのは何を隠そうヴィンセント・プライスである。曲の最後では泣く子も黙るあの悪魔的笑い声も披露し、曲を100倍盛り上げている。この曲は音楽史における大革命だった。

 ティム・バートンはそうとうホラー映画好きで、ヴィンセント・プライスをテーマにした映画
「ヴィンセント」を撮ったこともある。そして90年にはプライスの最後の作品となる「シザーハンズ」を撮った。プライスの役、泣けた・・・。

 実は美術が好きで、美術の本を発表したこともあり、かなりの通人である。

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