今週のスター 

 

チャールトン・ヘストン

No.111
チャールトン・ヘストン
Charlton Heston (1924〜2008)

 シュワちゃんと同じ理由で好きなのだ

 チャールトン・ヘストンはうちの親父が一番好きな俳優だ。でもって、うちの親父が一番嫌いという俳優がアーノルド・シュワルツェネッガーだ。ちなみに僕が一番好きな俳優はアーノルド・シュワルツェネッガー。親父と趣味が180度違うってわけだ。でも僕はチャールトン・ヘストンも大好きだ。60年代の俳優では一番好きだ。
 ここで重要なのは、僕は同じ理由でシュワちゃんとヘストンが好きということ。目つきといい口元といい顔の骨格といい、とってもそっくりだと思わない? だって2人とも凄い映画にいっぱい出ているし、偶然にも現実離れした映画が多い。また2人ともカルト的な作品に出ているし、そこそこ駄作もあり、好奇心で監督を経験したこともある。そして2人ともごっつい体格をしていながら、瞳の奥には優しい表情をのぞかせている。
「トゥルーライズ」(94)で2人は共演してるけど、これはもう”引き合わせた”としか思えない。


 悲しい表情が忘れられないのだ

 ヘストンで一番好きなのは悲しい表情。もともとは包容力のある大らかなタイプなので、悲しい顔をしてると本当に可哀相に見えてしまうんだよね。ヘストンは映画でよくこの悲しい表情を見せるんだけど、この表情が僕はたまらなく好きなんです。
 その悲しい表情が見られる映画は、
「ソイレント・グリーン」(72)、「大地震」(74)、この2本に尽きる。2本ともつまらん映画だったが、ヘストンの悲しい表情だけは忘れられない。「ソイレント・グリーン」では安楽死の機械につく親友の老人を涙目で見守った。このヘストンの表情のやるせなさ。たまらんかった。「大地震」では不倫に生きながらも、最後は本当の妻の後を追った。余りにも衝撃的なラストだった。僕が今までに見たラストシーンでも、最も残酷に思える。そういえばヘストンの映画はラストが残酷なものが多い。特に彼のSF作品だ。「オメガ・マン」(71)も可哀相だが、中でも「猿の惑星」(68)はぶったまげた。僕もかなりハマった。「猿の惑星」はもう10回は見てると思う。よく考えたらヘストンのSF三部作「猿の惑星」、「オメガ・マン」、「ソイレント・グリーン」は全て文明の滅亡を描いた映画だったんだね。


 とんでもない人物を演じてきたのだ

 ヘストンは往年のスターの中ではたぶん一番ごつい体してたんじゃないかな。珍しくムキムキ系の俳優だ。だからタフな役も多かった。でもってコクのある顔つきしてるから、大昔の人を演じる機会も多かった。幸運にも最初の作品「地上最大のショウ」(52)が絶賛されたので、次々と出演依頼が来るようになった。「十戒」(56)ではあのモーゼを演じた。フィルムノワールの最高傑作のひとつとされる「黒い罠」(58)にも主演した。この他「エル・シド」(61)ではスペインの英雄エル・シド、「華麗なる激情」(65)では偉大なる彫刻家ミケランジェロ、「偉大な生涯の物語」(65)ではキリストに仕えるヨハネ、「カーツーム」(66)では中国内乱を鎮圧した英国将軍ゴードン、「ジュリアス・シーザー」(70)では反乱軍と戦うアントニーに扮した。何と神様を演じたこともある。こりゃもうヘストンは”カリスマ俳優”という称号が許せる唯一人の役者かもしれない。そんなヘストンは僕が一番会ってみたいと思う俳優です。
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納谷悟朗

No.112
納谷悟朗
(1929〜)

 とっつぁんにはホントしびれるね

 隠さず言おう。僕はアテレコジャンキーだ。吹き替えにケチつける奴ぁ許さないぞ。山田康雄さんのクリント・イーストウッドに、小林清志さんのジェームズ・コバーンに、納谷悟朗さんの
チャールトン・ヘストンに、僕はしびれた。裏の世界の人だけど、僕は大ファン。好きな声優がいると、吹き替えを見るのも楽しみになってくるんだよね。

 それにしても最近の吹き替え業界では、決定俳優がいなくなったなあ。昔はこの人にはこの人というピッタリの声優がいたものだけど、今じゃあまりいなくなった。
 チャールトン・ヘストンの納谷悟朗さんはまさにピッタリだった。2人の声帯は別に似ているわけじゃないんだけど、納谷さんのしゃがれた声は重厚なマスクのヘストンにマッチしていた。納谷さんはほんと上手い。
「ベン・ハー」の名吹き替えも惚れ惚れしてしまった。声が似ていればいいってものじゃないんだね。
 よく思うんだけど、納谷さんはチャールトン・ヘストンその人になるわけだから、つまりヘストンと同等レベルのスターといっても過言じゃないわけだ。そう認めるべきだ。

 与えられた役ならどんな役でも演じられると豪語する納谷さんは
クラーク・ゲーブルジョン・ウェインの声もあてていた。実は僕は納谷さんが吹き替えたゲーブルとウェインをまだ見たことがない。うーん、昼か深夜にでも放送してくんないかなあ。それと「夕陽のガンマン」リー・ヴァン・クリーフも、一度でいいから納谷さんの吹き替えで見てみたい。

 アニメでは
「ルパン三世」の銭形のとっつぁんがはまり役。もう最高。「ルパン〜!」の芸にはホントしびれます。

 最近の洋画やアニメの吹き替えは、声優ブームが影響してか、若手のアイドルが吹き替えてばかりで、ベテランの出番が少なくなってきて、寂しい気もするが、やっぱり納谷さんみたいなベテランの人にもっとやらせて欲しいものである。
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