決してスターの風格ではないのだが
なんだか女優の顔つきじゃないけど、そこがまた女優ってな印象がする。
ナタリーは子供の頃に、おしゃまな所が受けて、子役として「三十四丁目の奇蹟」(47)などに抜擢されたのが映画界入りのきっかけだ。あらゆる子役が辿ることになる過酷な女優人生もそのときに始まった。
大人の体になってきた頃がちょうど最盛期で、「理由なき反抗」(55)では伝説のジェームズ・ディーンと共演。翌56年には西部劇の金字塔となる「捜索者」でインディアン役を演じ、61年にはオスカー主演女優賞にノミネートされた「草原の輝き」と、ミュージカル映画の古典「ウエスト・サイド物語」のおかげで、まさに人気絶頂期となる。20代前後なのに、性的魅力も持っていた。
ところがそれから後はどうだろう。パッとしないまま、「ブレイストーム」(83)を最後に、ボート事故で水死してしまう。実に悲しい女優である。でもそこが、ナタリー神話を強固にしているのかもしれない。
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