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解説
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軽いことでもオーバーに見せる。これは「男はつらいよ」の特徴であるが、本作はその点ではいつも以上にオーバーで、ファンをニヤリとさせるような内容である。
(1)社長がちょっと飲みに行って留守にしていると、寅は自殺したのだと勘違いし、葬式の話まで進めてしまう。
(2)博の父が寅に今昔物語の話を教えると、寅はその話を自分なりに解釈して、とらやでそれをオーバーに演じてみせる。
(3)寅が仮病を使って一芝居うつと、皆は本当に病気なのだと勘違いし、寅は救急車に乗せられて病院送りになる。
この他にも、寅がとらやに帰ってくるところで、テーマ曲をバーンと流したり、多少おまぬけと思えるようなオーバーなシーンもあり、ともかく今回は大げさに盛り上げようとしているようだ。
全体的なまとまりは上出来とは言えないが、部分部分には結構良いシーンもあり、憎めない作品である。泉ピン子のコメディ・リリーフは圧巻だ。 |
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