タイトル
男はつらいよ 寅次郎と殿様
公開年
1977年8月6日(第19作目)DVD
ゲスト
嵐寛寿郎、真野響子、三木のり平、平田昭彦
ストーリー
寅が四国で殿様と会う騒動
解説
本作は鞍馬天狗役で知られる大御所アラカンが殿様役で出演するということで、マドンナとの恋沙汰よりも、渥美清とアラカンがどのように共演するかが一番の興味となっている。だから恋愛ドラマの要素はいつもより薄いが、コメディ映画としては爆笑ものの佳作になっている。殿様の戯画化ぶりは、ここまでくるともうただただおかしい。
「男はつらいよ」の面白いところは、いつも「偶然何かが起こる」ということである。寅の悪口を言っていたら偶然寅が現れたり、旅先で寅が身内の誰かにバッタリ遇ったり、いつも偶然の出来事を描いて観客を笑わせてくれる。本作の偶然話は、殿様が探していた娘が諦めた頃にとらやに偶然訪れるというもの。わかっていてもやっぱり面白いものである。
しかしながら寅が旅館でマドンナに声をかけるときの手際を見ていると、とても失恋ばかりしている男とは思えなくなってくる。それなのに最後には振られてしまうのだから、このシリーズはドラマチックなのである。
名台詞
「旅先じゃ何でもない親切も心にしみるもんだからよ」

週刊シネママガジン