【な】 【に】 【ぬ】 【ね】 【の】

【な】


直し [脚]

 第一稿が書き上がった後に、シナリオを書き直すこと。出来の善し悪し、製作費の問題、倫理的な面など、様々な理由でシナリオは必ず何度か書き改めることになる。



長回し [撮] 特集記事のページはこちらへ

 20秒以上のカット。



ナグラ Nagra [撮]

 ポータブル・テープ・レコーダーの商標名。ドキュメンタリー映画の撮影などで活躍。



70ミリ 70mm [撮]

 撮影用フィルムの種類のひとつ。テレビに対抗して映像の巨大さを売り物とした。フィルム幅が70ミリワイドサイズで、両端に4つの磁気サウンドトラックが塗られており、上映しても映像の粗が気にならなかった。「アラビアのロレンス」での砂漠の広大なる映像は、まさしく70ミリ・フィルムの成せるワザだ。70ミリの映画をテレビ放送する場合、そのまま放送してしまうと、被写体が小さすぎてわかりにくくなってしまうので、画面をトリミングする必要がある。【写真は35ミリとのサイズ比較】
→35ミリ、16ミリ、8ミリ





ナマ [映]

 業界用語で、売上げ。



生音 foley [編]

 道具などを使ってそれらしい効果音にしたもの。



生フィルム [編]

 未現像のフィルム。



生放送 [他]

 収録したものを放送するのではなく、スタジオもしくは現場で写しているものを直接放送すること。テレビ用語。



生もの
[他]

 インタビューやイベントなどを開催するとき、それに出席する役者や監督を指す俗語。



生録音 live recording [編]

 聴衆の前で録音したテープ。



なめる [撮]

 画面内に手前の被写体の一部を入れて撮影すること。
→肩なめショット




奈落 [他]

 演劇用語で、舞台の下のこと。



ナラタージュ narratage [編]

 ナラティブ(解説)とモンタージュ(組立)の合成語で、過去の事件を描いた回想シーンなどをナレーションで説明していく表現形式。



ナレーション narration [脚]

 画面外からの声。シナリオではセリフの前に「N」と書いて示す。画面を解説したものだけでなく、心の声、回想シーンの外の会話などもナレーションという。テレビでは、小さい画面を見ただけではわかりづらいところもあるので、ナレーションはよく使われる。劇場用映画をテレビ放送するとき、ナレーションが新たに加えられることもある。



ナレーター narrater [演]

 ナレーションを読む人。語り手。とくにテレビ番組やドキュメンタリー映画で活躍することが多いが、「バリー・リンドン」のマイケル・ホーダン、「愛人/ラマン」のジャンヌ・モローのように、劇映画でも重要な役割を果たすことがある。

【な】 【に】 【ぬ】 【ね】 【の】

【に】


ニールセン Neilsen [他]

 アメリカのテレビ番組の視聴率を調べる会社。視聴者のテレビに受信装置を取り付けてどのチャンネルが見られているのかを調べる。



2館取り [映]

 同じ地区で一本の映画を2館で上映すること。



二巻もの two-reeler [作]

 上映時間が20分くらいの映画。サイレント時代はフィルムを手回しで上映していたため、「上映時間」という概念がなく、映画の長さはフィルムの長さで示していた。その当時は巻単位で映画を作るのが当たり前だった。一巻はおよそ12分。
→一巻もの




肉弾着 [装]

 人や動物に銃弾が当たったように見せかけるガン・エフェクト用の仕掛け。タイミングよく服などから血糊が飛び散るようになっている。
→血糊袋




20世紀フォックス 20th Century-Fox [製]

 アメリカのメジャースタジオ。1915年、ハンガリー出身のウィリアム・フォックスが設立。最盛期は名プロデューサーのダリル・F・ザナックが社長を務め、ジョン・フォードとシャーリー・テンプルの作品で成功する。50年代にはマリリン・モンローという永遠のスターが誕生。またシネマスコープを開発し、ワイドスクリーン映画を普及させた。62年には史上最高の製作費がかかった「クレオパトラ」を発表。その後は「サウンド・オブ・ミュージック」、「猿の惑星」、「スター・ウォーズ」、「エイリアン」などを製作している。85年にはマスコミ王ルパート・マードック率いるニューズ・コーポレーションの傘下に入り、テレビ界でも積極的に活動中。90年代は「トゥルーライズ」、「スピード」などをヒットさせた。
→シネマスコープ



日活 [製]

 日本活動写真株式会社という名前で12年に設立。「幕末太陽伝」、「ビルマの竪琴」、「にっぽん昆虫記」、「キューポラのある街」などを製作。石原裕次郎、小林旭らアイドルを売り出して、一時代を築く。71年からロマン・ポルノを発表、数々の名作が生まれる。現在は洋画の配給、CSチャンネルの運営などもやっている。にっかつ。



ニッケルオデオン nickelodeon [映]

 20世紀初頭のアメリカで、映画を上映する目的で作られた映画館。5セント(ニッケル)で映画が見られたことからこういう名前が付いた。



2番館 [映]

 封切り公開を終了した映画が、次に上映される映画館。最近はビデオの普及で、2番館と名画座の価値が薄れている。



二部興行 [映]

 レイトショーなど、時間を区切って違う映画を上映すること。




二本立て double feature [映]

 1本分の入場料で2本の映画を交互に上映すること。ふつうメジャー映画とB級映画で二本立てにする。ローカルの映画館ではよく見られたが、最近はシネコンが増えたせいか、なくなってきた。



二枚目 [演]

 美男役。



ニュー・シネマ new cinema [作]

→アメリカン・ニュー・シネマ



ニュース映画 newsreel [作]

 テレビがなかった頃、劇場で上映されていたニュース映像。



ニューライン・シネマ New Line Cinema [製]

 ハリウッドの独立系会社の大手。67年にロバート・ジェイがたったの2万円で設立。「エルム街の悪夢」などB級ホラーで売り出し、現在はメジャースタジオと互角のシェアを誇る会社に成長。86年にはアート志向の映画会社ファイン・ラインを併設して、「ナイト・オン・ザ・プラネット」、「ザ・プレイヤー」などを公開。96年タイムワーナーの傘下になる。【写真は会社のロゴマーク】



ニューヨーク映画批評家協会賞 [他]

 全米映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞と並ぶアメリカの批評家協会賞で、歴史は最古。1935年に第1回が開催された。各賞はニューヨークの映画批評家たちが決定。かつての受賞作品には「市民ケーン」、「時計じかけのオレンジ」、「アメリカの夜」などがあり、観客受けのいい作品が受賞するアカデミー賞とは違い、批評家受けのいい作品が毎年最優秀賞を獲得している。



人間ドラマ [作]

 人生についてをテーマにしたシリアスなドラマ。


【な】 【に】 【ぬ】 【ね】 【の】

【ぬ】


ヌーベルバーグ Nouvelle Vague [他]

 1950年代、「カイエ・デュ・シネマ」に批評を書いていたフランスの若い監督たち。フランソワ・トリュフォー、ジャン・リュック・ゴダール、クロード・シャブロル、ジャック・リヴェットら。



抜き録り
[編]

 吹き替え収録で、声優のスケジュールに合わせて、別の時間を設けて個別に録音すること。声優が忙しかった場合や、録り直しがあった場合などに行う。



抜き焼き [製]

 テレビ局に見せるために、映画の見所だけをダイジェストで見せたビデオ。抜き。



盗み撮り
[撮]

 ロケーションで、断りもなく撮影すること。

【な】 【に】 【ぬ】 【ね】 【の】

【ね】


ネオリアリズム neorealism [作]

 40年代イタリアのルキノ・ヴィスコンティ、ヴィットリオ・デ・シーカ、ロベルト・ロッセリーニらの初期作品の傾向。素人を起用してロケ撮影をし、政治的な題材を扱った。ネオレアリズモ。



ネガ negative [撮]

 明暗が逆になったフィルム。
→ポジ、リバーサル




ネガ費 negative cost [製]

 宣伝・興行・上映プリントなどの費用を含まない、映画のみにかかった費用のこと。

【な】 【に】 【ぬ】 【ね】 【の】

【の】


ノベライゼーション novelization [他]

 映画を小説にしたもの。
→脚色




ノベルティ [他]

 キーホルダーや文具などに映画のロゴマークなどを入れて、宣伝用に無料配布するグッズ。後にプレミアがつくこともある。トラフィック・ビルダー。



ノミネート [他]

 アカデミー賞などの賞の候補者に指名されること。ふつう5人指名され、その中から一人が受賞できる。ノミネートされた人はテレビや新聞などで報道されるが、受賞者は授賞式当日まで発表されない。ノミネートされた人の中で誰が受賞するかを見守るのが、授賞式の醍醐味である。



ノンモン [編]

 ダビング用語で、音が何も入っていないチャンネル。



ノンリニア編集 [編]

 映像編集ソフトを使ってコンピュータ上で編集すること。最近はノンリニア編集ができるパソコンが急速に普及しており、素人でも簡単にプロ並の編集ができるようになった。
→アフター・エフェクト、ファイナル・カット・プロ、プレミア