【ま】 【み】 【む】 【め】 【も】

【ま】


マーチャンダイジング merchandising [製]

 映画の登場人物や小道具などを、フィギュアやアクセサリーなど、別の商品として売り出すこと。販売会社は、映画会社にロイヤリティ(権利料)を支払う。



マカロニ・ウエスタン spaghetti western [作]

 イタリア製西部劇。淀川長治先生が名付け、慣用になった。



マクガフィン McGuffin [脚]

 ヒッチコックが使っていた用語で、観客の注意をひきつけるための仕掛け。マクガフィン自体はストーリーの進行上で覚えなくてもいい。



マクロ・レンズ macro lens [撮]

 レンズの表面から1mmほどしか離れていない被写体に焦点を合わせられるレンズ。小さい虫などを拡大撮影するときに使用する。



まげ物 [作]

 時代劇のこと。



マジックアワー [撮]

 夕方の、太陽が沈んだ後の薄明るい時間帯。



マスク mask [撮]

1) 映像の一部を隠すためにレンズの前に置く遮蔽物。
2) 上映の際、正しいスクリーンサイズを保つために映写機のレンズの後ろに置く遮蔽物。




マスター master [編]

 オリジナルのレコード。これを使ってコピーが作られる。



マスター・ショット master shot [撮]

 それだけで登場人物の配置関係・アクションが把握できるショット。
→エスタブリッシング・ショット




マッチ・カット match cut [編]

 ふたつの連続するカットとカットのつながりを指す言葉で、後続のカットが前のカットで写した映像を一部でも含むもの。前後のカットでアクションは連続的に一致している。
→カット・アウェイ




マット・アート [装]

→書き割り



マット・ショット matte shot [編]

 フィルムの一部を隠して撮影すること。部分的に合成映像を作るときに利用。



マテックス808方式 [撮]

 バード・ゴードン監督が考案したシステムで、小さい動物の視覚的に巨大に見せることができた。「巨大生物の島」(76)で初めて利用され、人間と同じ大きさの鶏などが登場したが、評判はいまひとつだったようだ。



マニッシュ・ルック [演]

 女性が男性的な服装を着こなすこと。マレーネ・ディートリヒが最初。



マペット [装]

 操り人形。ジム・ヘンソンが技術を開拓。
→アニマトロニクス




マリッド・プリント married print [編]

 映像と音両方入ったポジ・プリント。



マルチイメージ multiple image [編]

 同じスクリーンにいくつかの映像が隣り合って上映されること。「ナポレオン」、「ウッドストック」、「絞殺魔」などで利用された。マルチ・スクリーン。スプリット・スクリーン。



マルチプレックス・シアター [映]

→シネマ・コンプレックス



マルチメディア multimedia [他]

 テレビ、ラジオ、雑誌など、既存のメディアを電子的に結合して利用価値を高くしようとしたメディア。インターネットが代表的。ネット上では喋る絵本や動く写真など、各メディアにはない機能を付加することができ、双方向のコミュニケーションが可能になる。

【ま】 【み】 【む】 【め】 【も】

【み】


ミキシング mixing [編]

 セリフ、効果音、背景音楽など、複数のサウンドトラックを結合させて一本の音に仕上げること。



みきれる [撮]

 写ってはいけないスタッフが画面に写り込むこと。テレビ用語。



ミザンセヌ mise-en-scene [撮]

 配置演出のこと。編集でショット内を操作するのではなく、撮影の時点でショット内を操作する。
→モンタージュ




ミスキャスト miscast [製]

 配役を誤ること。



ミステリー映画 [作]

 謎解き映画。怪奇映画。ミステリーでは、犯人が誰なのか、主人公と同じ立場に立って推理する楽しみがある。アガサ・クリスティの映画が代表的。



見た目 point of view [撮]

 登場人物が見ている視点から撮ったショット。pov。



ミディアム・ショット [撮]

 人物の半身像を写したショット。
→クロースアップ、フルショット




ミニシアター [映]

 座席の数が100席から200席くらいの劇場で、とくに単館を指す。



ミニシリーズ miniseries [作]

 小説をもとにしたシリアル番組。



ミニチュア miniture [装]

 小型カメラ。特殊撮影用セット。ミニアチュールともいう。



ミフェッド MIFED [映]

 60年から行われている映画とテレビのマーケット。映画のマーケットとしては世界最古である。正式名は「Mercato Internazionale del Film e del Documentario」。
→AFM、カンヌ映画祭




ミュージカル [作]

 歌や踊りを見せ場とする劇・映画。映画がトーキーになった30年代に量産され、その後MGMが独自のスタイルを確立。フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、ジーン・ケリー、ジュディ・ガーランド、フランク・シナトラ、ビング・クロスビーら歌って踊れるスターが誕生するが、しだいにミュージカル映画の数は減っていき、現在はほんの数えきれる程度になっている。



ミラー・ショット mirror shot [撮]

1) 鏡を使って撮ったショットで、画面全体が左右反対になっているもの。
2) →グラス・ショット




ミラマックス Miramax films [製]

 79年に設立されたインディペンデント系の配給会社・製作会社。「ニュー・シネマ・パラダイス」、「ピアノ・レッスン」などを配給してヒットさせる。ディズニーに買収されてからは製作会社として業界ランク上位の成績を見せる。同社が製作した「イングリッシュ・ペイシェント」は独立系映画でありながらもオスカーを獲得し、話題になった。



民放 [製]

 商業放送。CMの広告料で運営しているテレビ局。日本のキー局では日本テレビ、東京放送、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京が民放になる。

【ま】 【み】 【む】 【め】 【も】

【む】


ムービー movie [他]

 「映画」という意味の他に、「映画館」「映画業界」「ビデオカメラ」など、色々の意味がある。



ムーブオーバー [映]

 公開中の映画が、その上映する映画館を変えること。ふつう客が入る映画でなければムーブオーバーしない。



ムガール mogul [製]

 「大御所」という意味。ハリウッドのスタジオ・システム時代のメジャー・スタジオのオーナーを指す。タイクーン(大君)とも言う。



ムビオラ [編]

 編集のとき、フィルムに映っている内容を確認するために使う卓上映写機。

【ま】 【み】 【む】 【め】 【も】

【め】


メイキング [作]

 映画の製作・撮影過程などを出演者のインタビューやドキュメントなどを交えて紹介する特別番組。DVDの映像特典としてメイキングが収録されることがある。



メイクアップ [装]

 化粧、扮装。メーキャップ。



メイン館 [映]

 映画館チェーンのマスター館。



メインビジュアル [製]

 その映画を印象づけるイメージ。ポスター、チラシ、広告などで、そのイメージを大々的に打ち出す。たとえば「E.T.」でいう指である。



メーター [映]

 映画館の観客動員数の途中経過。一回の上映で観客が何人入ったのかを調べるため、メーターは決められた時間ごとにこまめにチェックする。



目隠し入札 blind bidding [映]

 興行者がその映画を見ずに買い付けること。



メカニカルマスク [装]

 特殊メイクアップ用のマスクで、俳優の演技だけでは表現できない動きを見せるために装置が取り付けられている。



メガホン megaphone [撮]

 拡声器。



メジャー会社 major [製]

 巨大な撮影施設を持ち、製作・配給の各部門がある大手映画会社。メジャー会社はMPAA(アメリカ映画協会)に加盟している。現在は、ユニバーサル、パラマウント、ウォルト・ディズニー(ブエナビスタ)、ワーナー・ブラザーズ、コロンビア/トライスター(ソニー・ピクチャーズ)、MGM/UA、20世紀フォックス、ドリームワークスの計8グループ。インディペンデント系の勢力が強い今日では、メジャー会社は製作よりも配給に力を入れている。



メセナ mecenat [製]

 国家や企業が、芸術事業・科学事業に資金援助する行為。



目線 [演]

 演技者が見る方向。2人の人物が会話するシーンを撮影するとき、必ずしも2人の演技者がお互いを見つめ合えばいいというわけではない。ときとしては決められた方向を見た方が様になることもある。また共演者が欠席したときにも目線を定める必要がある。



メソッド [演]

 俳優の内面的演技を重要視するスタニラフスキーが提唱した演技法。アクターズ・スタジオの必須科目となっている。メソード。



メディアミックス [製]

 映画だけでなく、原作本・サントラ・フィギュアなどを合わせて宣伝する方式。



メロドラマ melodrama [作]

 感傷的な通俗ドラマ。本来の意味は「音楽を伴ったドラマ」である。

 

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【も】


モーション・コントロール・カメラ [撮]

 カメラの動きをコンピュータ制御し、繰り返し同じ動きが再現できる。合成映像やストップ・モーション・アニメーションなどを撮影するときには欠かせないシステム。



モーフィング morphing [編]

 CGを使って画像を変形させること。ある物体が他の物体に変化する様を、なめらかに表現したりする。「ターミネーター2」で液体金属の形が変わる様子などはモーフィングの技術である。



もぎり [映]

 入場券をちぎるスタッフ。



モスクワ映画祭 International Film Festival in Moscow [他]

 1959年から2年に一度モスクワで開催される映画祭。他の映画祭と違い、いつも意外な作品が出品されている。ソ連映画がやたらと金賞を取っているのが気になるが、新藤兼人監督の作品も2本受賞している。



モデル・ショット model shot [撮]

 ミニチュアを使って撮影したショット。



モデル・アニメーション [編]

 人形を使って撮影するアニメーション。クレイ・アニメーションなど。



モノクローム monochrome [撮]

 単色撮影。単色映像。黒白やセピアなど。
→セピア




モノラル monaural [編]

 ひとつのマイク・スピーカーしか使わない音声方式。2つ以上使うのはステレオという。モノ。



モノローグ monologue [演]

 独白。一人芝居。一人ナレーション。
→ダイアローグ




モブ・シーン [撮]

 群衆の映像。



モンタージュ montage [編]

 物語的に効果・意味のある編集。



モンロー効果 Monroe effect [他]

 ビルの谷間などで女性のスカートが風でまくれ上がること。マリリン・モンローの映画「七年目の浮気」から。