週刊シネママガジン特別企画名言集サム・ライミの言葉

サム・ライミの言葉

サム・ライミ

CGを嫌う人の気持ちはわからなくはないんです。ただ、映画の見方としてもっと詩的にアプローチするなら、映画作りのプロセスを理解したうえで、その世界に身を委ねてしまえばいいんじゃないかな。まあ、それができない人もいるわけですけどね。印象派の絵画が現れたときのことを考えてみてもらいたいですね。印象派の絵は解釈に任せる部分が多く、見る人の頭の中で初めて絵として成立するでしょう。
「週刊SPA!」2004年7月27日号(扶桑社発行)

 

<解説>
文面からはライミの誠実さが伝わってきた。かつてはCGを使わない凝った特殊効果に定評があったが、「スパイダーマン2」ではとことんまでCGを使い、大成功を収めた。よく言われるCGの弱点は、重量感がないことだが、「スパイダーマン2」のCGはソリッドかつ重力加速度を十二分に感じさせるもので、CG嫌いの観客たちが驚くほどよくできたものだった。「スター・ウォーズ/エピソード1」など、CGの映像がつまらないと思わせる作品は、CGの誤った使い方をしているからである。「スパイダーマン2」のCGは、正しい使い方だったから成功したのだ。

2004年7月25