宮崎駿の言葉

「もののけ姫」の時が辞め時だった。絶対に客が入らない、ジブリはつぶれるかもという覚悟で、思い切りやった。監督というのは煩悩が増す仕事で。何年やっても、立派な人間にはなれない。 （読売新聞 9月17日夕刊）

　

＜解説＞
「もののけ姫」を作るとき、これが最後のつもりで、自分の作りたいように作った。いわば非商業映画だったが、結果的に当たった。やりたい放題やったら、自分のイマジネーションを形にすることに更に喜びを覚え、また別の作品で自分をアピールしたくなってきた。お金が入ったのだから、こうなったら、そのお金で次の作品を作らない手はない。おそらく倒産するまで新作を作り続けるだろう。いや、倒産したとしても、また別の会社で作るに決まっている。作家にとって、作ることが生きる喜びだからだ。創造することの煩悩（欲望）は決してとどまるわけがない。そんな男に引退はありえない。