リドリー・スコットの言葉
<解説>
「芸術と商売が闘っている」という言葉は、ハリウッドの映画の在り方を一言で表している。芸術と商品は互いに排他的だと思われている傾向がある。芸術を追究すれば商品としての価値がなくなり、商売を追求すれば芸術性がなくなると勘違いされている。
リドリー・スコットはCM出身の監督だった。CMというのは、すなわち販売促進である。彼は、どのようにしたら商品が売れるのか、そこをよく知っていた。また、CMならではの、わずか15秒〜45秒の中で見せたスタイリッシュな感性が、映画における芸術性に応用された。
場合によっては、リドリー・スコットのように、芸術性と商品性の両方を取ることは可能だ。芸術と商売のバランスをよく心得ている監督は、どんなジャンルの映画でも作ることができるはずだ。