週刊シネママガジン特別企画名言集リドリー・スコットの言葉

リドリー・スコットの言葉

リドリー・スコット

映画は、何かと芸術的な判断を迫られるが、同時に商品でもある。常に芸術と商売が闘っているとも言える。私は広告業界から来ているので、そのあたりのバランスがとれる。それがハリウッドで生き抜けた理由だろう。
「週刊スパ(2005年5月24日号)」扶桑社

 

<解説>
「芸術と商売が闘っている」という言葉は、ハリウッドの映画の在り方を一言で表している。芸術と商品は互いに排他的だと思われている傾向がある。芸術を追究すれば商品としての価値がなくなり、商売を追求すれば芸術性がなくなると勘違いされている。
リドリー・スコットはCM出身の監督だった。CMというのは、すなわち販売促進である。彼は、どのようにしたら商品が売れるのか、そこをよく知っていた。また、CMならではの、わずか15秒〜45秒の中で見せたスタイリッシュな感性が、映画における芸術性に応用された。
場合によっては、リドリー・スコットのように、芸術性と商品性の両方を取ることは可能だ。芸術と商売のバランスをよく心得ている監督は、どんなジャンルの映画でも作ることができるはずだ。

2005年6月20日