ピーター・ウィアーの言葉
<解説>
「トゥルーマン・ショー」「マスター・アンド・コマンダー」など、1作ごとに異なるジャンルに挑んでいるオーストラリアの巨匠ピーター・ウィアーのあまりにも意外な言葉である。
アーティストの卵たちは、自分の名前がクレジットされることを夢みて、一所懸命に自分を売り込もうと努力する。名声のためなら、悪魔に魂を売ってもかまわないという人だっている。ところがピーター・ウィアーは、自分の名前なんてどうでもいいというのである。要は、観客は名のある監督の作品を見たいんじゃなくて、単に良い映画を見たいだけだということだ。スピルバーグ製作総指揮、コッポラ製作総指揮など、フィルムメーカーのブランドイメージばかりを追いかけていた映画ファンたちが、ハッと我にかえる言葉である。